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職場の中でも、従業員の自由や権利が重視されていくにつれて、「ハラスメント(嫌がらせ)」という言葉を耳にするようになりました。性的な嫌がらせ(セクハラ)や上司から部下に対する嫌がらせ(パワハラ)は、よく知られていますが、これらのハラスメントのうち、特に典型的な例を特化させて名付けた派生型や、そのほか職場環境を悪化させるハラスメントが存在すると、各方面でいわれるようになっています。
どのような職場ハラスメントがありうるのか、以下、「パワハラ派生型」「セクハラ派生型」「職場環境系」に分けてご紹介します。
目次【本記事の内容】
年齢を理由にして不当な嫌がらせを行うことです。昭和時代には一般的だった年功序列制も近年では崩れ、成果主義・実力主義の人事評価を採用している企業も増えてきています。そのため、キャリアは短いけれども会社に多くの収益をもたらす実績がある年下の上司が、淡々と仕事をしている年上の部下に、業務上の指示や命令を出す場面もあります。その際に、「うだつが上がらない」などと余計なことを口走ると、エイハラになる可能性があります。
逆に「君はまだ若いから、わからんだろうなあ」と、若年であることを理由に無知や無能と決めつけるのもエイハラとなりえます。
飲み会などで職場の関係を引きずり、上司が部下に飲酒を強要する嫌がらせを指します。
「俺の酒が飲めないのか」と、あからさまに無理強いする人は昔に比べると減りましたが、罰ゲームと称して一気飲みを強要したり、下戸の人にソフトドリンクを飲ませない行為も、アルハラに該当します。急性アルコール中毒は生命の危機に関わりますので、ハラスメントでは済まず、法的な問題に繋がるリスクもあります。
食事に関する嫌がらせ行為です。昼食として部下が持参した弁当の中身について、いちいち干渉してきたり、飲み会などで、自分の食事へのこだわりを強要したりなどは、上司と部下の関係においてハラスメントに該当しえます。昔でいう「鍋奉行」などの、鬱陶しい仕切り行為が該当します。
カラオケで職場の懇親や取引先との関係を深めることもありえますが、カラオケボックス内でも上司と部下の関係を持ちこんで、歌が苦手な部下に歌うよう強要したり、その歌声を笑ったりするのは、れっきとしたパワハラの延長です。
FacebookやTwitterに代表されるインターネット上のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)利用者間において、上司から部下に対し行われる嫌がらせです。部下のTwitterアカウントをこっそりフォローしたり、Facebookの友達申請を強要したりするなどして、プライベート時間を含めて部下の投稿をいちいち監視する行為を指します。上司の悪口のように見る投稿に口出ししたり、自分の投稿に「いいね」を強要したりもします。
ブラック企業批判の裏返しで、「働き方改革」の号令の下、残業を原則として許さずに定時で帰社させる職場が増えてきています。ただ、労働時間だけ減らしても、課される仕事量やノルマが減っていない場合は、単なる上司のムチャぶりやわがままになりかねません。部下は業務処理のために持ち帰り残業などをせざるをえず、その過程で機密情報などが流出してしまうリスクもあるわけで、部下だけに責任を押しつけられません。「時短」を命じるなら、業務合理化や生産性向上の手段や方法も併せて、部下に指示ないし提供しなければなりません。
職場でハラスメントを受けたことを、他の上司や部署に報告・相談したことを理由として、その報復でさらなるハラスメントを受けることをいいます。企業は、職場ハラスメント被害者が匿名で相談できる専用の窓口を設けなければなりません。また、公益通報者保護法の適用にも配慮しましょう。
妊娠・出産・育児などで、職場での仕事を優先できなくなった従業員に対する嫌がらせを指します。育児休暇などの普及に伴って、その存在や問題が徐々に知られるようになってきました。
産休・育休からの復帰時に、不当な配置転換や降格処分などを伴わせることも、マタハラに該当します。
一般的にいわれる「男らしさ」「女らしさ」から外れた言動に対して、過度に干渉して嫌がらせを行うことをいいます。価値観の多様化に伴って、一昔前の「常識」と呼ばれる物差しを一方的に当てはめる行為であり、時代遅れだとされます。
「男のくせに泣くな」「女のくせに字が汚い」などの発言が該当します。女性上司が男性部下に対して行う例も出てきており、ときにパワハラも伴います。
Sexual Orientation(性的指向)とGender Identity(性自認)の頭文字をとって、SOGI(ソジ)と呼ばれています。つまり、同性愛者などの性的マイノリティ(性的少数者)に対する嫌がらせや、差別的な発言などが一般に「ソジハラ」とされます。
独身の従業員に対して、結婚の意思も進展状況も確認せずに「まだ結婚しないの?」「いい人紹介するからさ」と、プライベートに余計な干渉をしてくるハラスメントです。そのマリハラ被害者の従業員がLGBTであれば、ソジハラまで伴うおそれがあります。
職場で、恋人との幸せ話や露骨な下ネタなどを一方的に語ることによって、他の従業員に精神的なダメージを与えることをいいます。話の輪に加わらない人も、聞こえてくるだけで不快になるおそれがありますので注意しましょう。
皮肉などの巧みな言動によって、他人の心を傷つける暴力を指します。たとえ口調は温和であり、パワハラには該当しなくとも、モラハラには該当する言動がありうるのです。仲間はずれや無視(シカト)も、モラハラにあたりますので注意しましょう。
体臭や香水の匂いなどを撒き散らして職場環境を悪化させるハラスメントです。その迷惑行為を本人が自覚していない場合が多いのですが、ストレートに指摘するとそれ自体がハラスメントになりかねません。本人が納得した上で、丁寧に解消を目指す必要があります。
パソコンや複合機などの事務処理機器の扱いに慣れておらず、手間取る従業員に対して、嫌がらせの言動を行うことです。年下の上司が年配の部下に対して行われる例も目立ちます。なお、テクハラをテクニカル・ハラスメントの略だとする説もあります。
耳鳴りやけいれん、頭痛など、電磁波の刺激に対して過敏な体質のある従業員に対し、対策をとらなかったり、配慮を欠いた言動をするなどの嫌がらせをしたりすることです。デスクトップパソコンやオフィス複合機、電源タップなど、職場には電磁波の発生源が多くありますが、目に見えないため、「気のせいだ」と安易に片付けたがる人もいます。席替えで症状が改善する場合もありますが、専門家に職場を調査してもらい、適切な対策をとることが重要です。
人種・民族・国籍の違いなどを理由として、従業員に対して嫌がらせを行うことをいいます。しばしば、パワハラやモラハラなどを伴います。日本のような島国では、外国人労働者の積極的な受け入れ態勢が未だに整っていませんが、多様性への想像力を働かせて理解することが求められます。
エアコンの使用や温度による環境が原因の嫌がらせを行うことをいいます。職場などでエアコンを使用する時期、温度設定の高低での体感差をめぐって、不調和が起きるケースがそれに該当します。長引くと体調不良や精神的ダメージを受けるほどの実害になることもあり、二次的被害として、うつ病を引き起こす可能性もあります。
以上のように、職場だけでも様々な「ハラスメント」がありえますが、複数種のハラスメントが同時発生的に行われる場合もあります。また、ハラスメントの加害者であることに自覚がない場合もありますし、被害者が泣き寝入りさせられていることもあります。匿名相談窓口の設置など、水面下のハラスメントを会社が把握できるしくみ作りが重要となります。
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