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パワーハラスメントが社会問題化するなか、厚生労働省は、一向に減らないパワハラ被害を食い止めるには法制化が必要として、パワハラ防止策を企業に義務づける方針を固め、来年の通常国会への関連法案の提出を目指している。
セクハラやマタハラについては、企業に防止措置を取ることが、法律で義務付けられているが、パワハラについては、企業の自主的な努力を促す周知・啓発にとどまり、定義すら定まっていない。
そこで、法律でパワハラを「優越的な関係に基づき、業務の適正な範囲を越えて、身体・精神的苦痛を与えること」などと定義する一方、防止策をつくって運用する義務が企業にあることを明記するというものだ。
また、対策に取り組まない企業には、厚労省が是正指導や是正勧告などの行政指導をして改善を求め、それにも従わなければ、企業名を公表することができるとの規定も設ける方針だ。
具体的な措置としては、加害者の懲戒規定の策定や相談窓口の設置、社内調査体制の整備、当事者のプライバシー保護などを想定しているが、経営者側からは、「指導」との線引きが難しいなどとして反発の声もあがっている。
経営者側の言い分は、「業務上の指導との線引きがあやふやでは、上司が部下への指導に尻込みして人材が育たない」などというものだ。
経営者側の反発を封じ込めるためには、どのような行為がパワハラに当たるかという具体例も示すとともに、パワハラに該当しない事例なども盛り込み、判断基準を分かりやすく示すことが求められることになりそうだ。
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