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マイナンバーカードの新規取得に、最大2万円分のマイナポイントを付与するマイナポイント事業のカード申請期限が、12月末まで延長されることになりました。8月末時点でのマイナンバーカードの交付率は半数にも届かず、申請期限延長でどこまで交付が進むでしょうか。
目次【本記事の内容】
マイナポイント事業は、マイナンバーカードを普及させるための事業で、今年6月末に「第2弾」が始まりました。その内容は、カードの新規取得者が健康保険証の利用登録や金融機関口座と紐づけることで、最大2万円分のポイントを付与するというものです。
政府は、2023年3月には、大半の国民が登録することを目指しています。しかし、ポイント付与というオマケをつけたキャンペーンを、第1弾に続いて第2弾も展開したにもかかわらず、8月末時点でのマイナンバーカードの交付率は47.4%にとどまっています。
マイナポイント第2弾は、約1兆4,000億円の予算を投入し、毎日のようにテレビCMで登録を呼びかけたものの、交付率は半数に届かなかったというのが悲しい現実です。
ちなみに、第2弾開始前の6月15日時点の交付枚数が約5,694万枚(交付率45%)で、3カ月後の9月15日時点の交付枚数は6,063枚(交付率48%)ですから、第2弾による普及促進の効果は“ほぼなかった”ことになります。
それにしても、スマホなどでのキャッシュレス決済の普及に伴い、“ポイ活”なる新ワードも登場するなど、最大2万円分のポイント付与というのは、かなり魅力的なはずです。しかし、なぜマイナンバーカードの普及が進まないのでしょうか。
デジタル庁の調査によると、登録申請をしない理由のトップが「情報流出が怖い」が35.2%、次いで「申請方法が面倒」が31.4%、「マイナンバーカード登録のメリットが感じられない」が31.3%で続いています。
政府が運営するサイトへのサイバー攻撃の多発や、企業の情報漏えいも相次いで発生しているだけに、情報流出の不安からマイナンバー登録を躊躇することは、デジタル社会では賢い選択ともいえます。メリットがなければ登録者も増えないのも当然でなないでしょうか。
たとえば、マイナンバーカードのメリットに身分証明になることが挙げられていますが、身分証明として使用できない場面が多々あります。また、健康保険証として使えるということですが、これまで通り健康保険証を使えば、それで済む話です。
また、公的給付金の受取口座を紐づけることで、支給がスムーズになるということですが、これからもコロナ禍のように公的給付金が頻繁にあるとは思えず、「これは便利だ」とはなかなかならないでしょう。
しかも、河野太郎デジタル担当大臣も記者会見で「マイナポイントは邪道」と発言していたように、オマケで釣るのではなく、マイナンバーカードの「利便性を高めていくことが先決」という声が多いようです。
伸び悩むマイナンバーカードの普及率を促進するため、政府は自治体に配分する「デジタル田園都市国家構想交付金」の配分に、自治体ごとのカード普及状況を反映させる方針も固めました。
つまり、マイナンバーカードの交付率が全国平均以上であることを、交付金申請の条件とし、普及率が低迷している自治体は交付金がゼロということもあり得ます。この方針に対しては、「まるで恐喝」「アメとムチ」など辛辣な批判の声も各自治体から上がっていますが、さて、どうなるのでしょうか。
それにしても、マイナンバー制度の始まりは2016年1月からです。開始から6年半という長い年月を経ても、普及率が半数に届いていないのは、制度そのものに問題があるからではないでしょうか。
紙の保険証の廃止も検討される中、今後どこまで普及するのでしょうか?
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