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太陽グラントソントンは、非上場企業を中心とする中堅企業経営者が、自国の経済見通しや自社の経営状況に関する意識調査を年2回行っている。
今回公表したのは「上半期版・2022年5~6月実施分」(第40回)の結果だ。
第40回 中堅企業経営者意識調査-概要
実施期間: 2022年5月~6月
参加国数: 28カ国
(アジア太平洋地域) オーストラリア、中国、インド、インドネシア、日本、マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国、タイ、ベトナム
(EU加盟国) フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、スペイン、スウェーデン
(北南米)アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、カナダ、米国
(アフリカ) ナイジェリア、南アフリカ
(その他)トルコ、アラブ首長国連邦、英国
調査対象: 世界28カ国4683社の中堅企業ビジネスリーダーまたは経営トップ
調査について: 質問票を各言語に翻訳し、オンラインおよび電話で行い、調査会社Dynataがデータの取りまとめを行った。
分析手法: 景況感について、各国の全回答数のうち「非常に楽観的」または「やや楽観的」と回答した社数の割合を当該国の景況感とする(単位:%)。
利用上の注意: 調査結果の数値は、表章単位未満の位で四捨五入しているため、総数と内訳の合計は必ずしも一致しない。
日本からは従業員数100名以上1,000名未満の全国の中堅・中小企業から236社の意志決定権を持つ経営層が回答した。
さて、世界28か国の中堅企業経営者の、今後1年間の自国経済の景況感は、8か国が上昇傾向で19か国が低下傾向にあることが示されている。また、全調査対象国の平均景況感は64%と、前回調査よりも6ポイント低下しているという結果だった。景況感88%でもっとも高かったのがベトナムで、オーストラリアが83%、アメリカが81%で続いている。
一方、前回調査より51ポイントの大幅減となったスウェーデンの景況感は19%で、28か国中最下位となった。日本は23%(前回調査より11ポイント減)、イギリスは59%(同10ポイント減)という結果だ。
また、前回は80%で高い景況感を示していた中国も、今回調査では16ポイント減の67%と、経済成長を続けてきた経済大国が景気低迷期に入ったとすれば、今後の世界経済へのマイナス影響が懸念されることになりそうだ。
ところで、景況感悪化の要因は、新型コロナウイルスのパンデミックの影響もある。さらに、ロシアのウクライナへの軍事侵攻による、エネルギーや原材料価格の高騰によるコスト高が、企業の収益をさらに悪化させていることも見逃せない。
長引くロシアへの経済制裁の影響によるインフレも、欧米諸国では深刻な状態になりつつある。各国がインフレ抑制のために金融引き締め策を打ち出しているが、日本は依然として金融緩和策を維持している。
それが円安を招き、日本企業は原材料費や輸送費、エネルギー費などのコスト増に見舞われている。しかし、なかなかコスト増分を価格に転嫁できないなど、日本企業がこの厳しい状況から抜け出すのは相当難しいと言わざるをえない。
さて、日本の中堅企業経営者は、どのようにして、この苦境から乗り切ろうとしているのだろうか。
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