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金融庁は、企業に男女別の賃金水準の公表を義務付ける検討に入りました。また、厚生労働省が女性活躍推進法に基づき、女性管理職比率などの情報開示も求める予定です。早ければ2023年の有価証券報告書から実施される見通しです。
ここでは、今回義務化される運びとなった男女間の賃金格差の見える化をテーマに、どのような取り組みが進められているのかを説明します。有価証券報告書の作成をはじめ、企業の情報開示や従業員の働き方に携わっている方は、ぜひ新しい情報としてお役立てください。
この度、義務化が検討されている内容として以下の項目が挙げられます。
・男女別の賃金水準
・女性管理職比率
・男性の育児休業取得率
男女間の賃金や働き方の格差に関わる内容を、女性活躍推進法にもとづいて情報開示し、有価証券報告書にも記載するよう内閣府令を改正して、義務付けられる予定です。
現在、金融庁では「サステナビリティに関する考え方・取組み」「人的資本・多様性等に関する開示」をテーマに、企業の情報開示の在り方について議論しています。
気候変動開示や四半期開示の見直しと並び、男女間の格差是正・働き方の多様化に向けた取り組みについて、今年の春ごろを目途に報告書にまとめる予定です。
なお、男女別の平均給与額の記載は目新しいことではありません。1999年3月期まで有価証券報告書には記載が義務付けられていました。
・従業員数
・平均勤続年数
・平均年齢
・平均給与額
を男女別に記載していましたが、企業側の負担となるため削除されていました。平均給与額に関する項目を再開させる方向で、金融庁が検討しています。
また、厚生労働省も女性活躍推進法にもとづく開示義務化を検討しています。各省が歩調を合わせて、情報開示の義務化のために動き始めた段階です。
女性活躍推進法では、女性の求職者や労働者が就職・転職活動、昇進など機会を積極的に提供されることが定められています。
・従業員の女性比率
・男女別の育児休業取得率
・勤続年数の差異
といった男女間の指標を企業規模に応じて、1~2項目選んで公表する義務があります。これに加えて、賃金水準の公表が義務付けられる予定です。
この動きの背景にあるのは、女性の社会進出や労働参加を拡大させたという政府の目的です。岸田文雄政権は発足以来、「新しい資本主義」をスローガンとして掲げています。とりわけ「女性自立は新しい資本主義の中核」であると最重要視されています。
2022年3月8日「国際女性の日」に、岸田氏のビデオメッセージが公表されました。「男女間の賃金格差の是正に向けた企業の開示ルールの見直し、男女が希望どおり働ける社会づくりなど、打てる手をすべて打ち、女性が経済的に自立できる環境を整えてまいります」と述べられています。
またメッセージ内では、国別に男女格差を数値化した「ジェンダーギャップ指数」についても指摘されています。世界156カ国のなか、日本は120位という結果を指摘し、諸外国に比べて大変立ち遅れていることを問題視しました。
実際、賃金においても男女間の格差が日本は大きい傾向にあります。経済協力開発機構(OECD)の調査によると、欧米諸国の所得格差は数%~10数%台です。その一方で、日本は加盟国38カ国中ワースト3位を記録しています。
1位:韓国(31・5%)
2位:イスラエル(22・7%)
3位:日本(22・5%)
またアメリカやドイツ、イギリス、イタリアなどでは証券法以外で、男女別賃金に関する開示をする規律が定められています。
このような日本の現状を踏まえて、男女格差を解消する手立てとして、賃金や管理職の情報開示に目を向けたのです。
男女間の賃金格差はどれくらいあるのでしょうか。2020年の賃金構造基本統計調査によると、フルタイム勤務をする労働者の平均給与がこちらです。
・女性の所定内給与:月額25万円
・男性の所定内給与:月額34万円
とくに賃金格差が目立つのは55~59歳です。男性が42万円に対して、女性は27万円で15万円の差が見られます。
なぜ、男女間で賃金格差は生まれるのでしょうか。おもに以下の理由が考えられます。
・男性よりも女性の勤続年数が短い
・女性の管理職・経営層が少ない
・事務職などの一般職に就く女性が多い
・妊娠・出産・育児でキャリアが一時的に中断するケースが多い
・子育てを負担し、時短勤務など変則的な働き方を女性が担う
男女間の賃金水準の公表を義務化することで、企業は格差を解消するための対策をとることになるでしょう。2023年に義務化される前に、賃金の見直しや人事配置など、今からできる対策は打っておきましょう。
経済産業省は、女性活躍推進に優れた上場企業を「なでしこ銘柄」として、各業種から50社、「なでしこ銘柄」に準ずる企業を「準なでしこ」として、業種を問わず15社、東京証券取引所と共同で選定しています。
カルビー株式会社や大東建託株式会社、オムロン株式会社、株式会社商船三井など名だたる企業が2022年は選ばれています。
「なでしこ銘柄」の企業が行っている、働き方の取り組みを手がかりに、自社の環境づくりを見直してみてはいかがでしょうか。
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