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高齢化率世界最高の日本には、高齢化に伴うさまざまな影響が懸念されている。
なかでも事業承継の課題が一段と深刻になるのは、団塊の世代が後期高齢者となる2022年以降である。
帝国データバンクの「社長年齢に関する調査」*によると、2021年の社長の平均年齢は60.3歳となり、調査を開始した1990年以降も右肩上がりが続き、31年連続で過去最高を更新しているという。
平均寿命も延びているため、社長の年齢も必然的に高くなるが、社長の高齢化は、事業承継や世代交代などが順調に進んでいないことを物語っている。
年代別の社長の割合は、「50代」の27.6%が最多で、「60代」が26.9%、「70代」が20.2%で、50代以上が74.7%を占めている。
業種別では、「不動産業」が62.4歳、「製造業」(61.3歳)、「卸売業」(61.1歳)、「小売業」(60.3歳)で、いずれも全体の平均年齢を上回っている。
社長の高齢化が経営リスクとされるのは、世界的に事業を取り巻く環境が激変しつつあるからである。どんなに時代が変わろうと、従業員やその家族を守るために、企業は変化に対応しながらも事業を継続していくことが求められる。
しかし、社長がいつまでも最前線で活躍することは不可能だ。事業の存続には後継者の選定と育成は欠かせない。社長が培ってきた経験や知恵を後継者がしっかりと受け継いでいくための期間を「3年以上」としている企業が、全体の半数以上を占めている。
社長交代率も3.92%と、低水準の状態が続いているが、後継者の不在を社長の年齢別にみていくと、「60代」で約半数、「70代」で約4割、「80代以上」では約3割となっている。しかも、団塊の世代が後期高齢者となり、事業承継の課題が一段と深刻化するとされている「2025年問題」まで、残りわずか3年である。
事業を取り巻く環境の目まぐるしい変化に、事業承継や世代交代の遅れは、致命的なリスクとなる可能性も否定できないだけに、後継者不在の企業は、内部昇格だけでなく、外部からの招聘やM&Aなども含めた選択が求められることになりそうだ。
帝国データバンクは企業概要ファイル「COSMOS2」(約 147 万社収録)から企業の社長データ(個人、非営利、公益法人等除く)を抽出し、集計・分析した。
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