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若手の早期退職傾向は依然として高い。2022年度分以降、勤続5年以下の退職金が減額となった。このことを知らなかった人は、8割以上(80.41%)にものぼることが、日本マーケティングリサーチ機構(JMRO)の調査で判明した。
退職金は長年の勤続を労う意味と、退職後の生活を支えるために支給され、もちろんそこには税金も発生する。ただし、分離課税という課税制度によって、他の所得に比べると税負担が軽くなるように優遇されていたのは、老後資金に充当するケースも多いからだ。
その退職金への課税が、2021年度の税制改正で、勤続年数5年以内の短期退職手当に対する所得税が増税となったことで、退職金が減額となる人も出てくることになる。
課税額が300万円を超える部分については、これまでの「2分の1」課税が適用できなくなる。若手ビジネスパーソンが勤続5年以内で退職しても、減額の対象になるほどの退職金をもらえる人は少ないはずだ。
この、短期退職手当が問題視されるのは、本来の優遇する目的とは違う節税対策として利用するケースもあるからだ。
たとえば、短期間の雇用契約を結ぶことの多い外資系企業でよくみられるのが、月給を低く抑えてその分を退職金に上乗せすることで、税負担を減らし手取り額を増やすという節税対策である。
さて、勤続5年以下の退職金が減額となることを知って、勤務中の会社への勤続意欲は変化したのだろうか。
「5年以上続けようと思う」が60.14%だったのに対して、「5年以上続けようか悩んでいる」が15.49%、「5年以上続けたくない」が10.25%、「なるべく早く辞めたい」が12.3%だ。
また、働く意欲についてはどうだろうか。最多が「あまり変わらない」の58.09%で、「とても上がった」が17.31%、「とても下がった」が5.69%という結果だ。
早期退職と退職金は、それほど連動していないようだ。退職金制度そのものを取り止める企業もあるなど、これも終身雇用・年功序列の日本型の雇用形態が、徐々に崩れつつあることを示しているのかもしれない。
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