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2021年の衆議院選挙の結果により、自民党と岸田総理大臣は、今後賃上げを軸にした税制改革を推進する方向性を確定しました。その方針に従う形で、2022年の春闘では賃上げが最大のテーマになりそうです。
政府は3%の賃上げを目標に掲げています。しかし、新型コロナウィルス問題で企業の業績が低迷する中、その目標はどこまで実現可能なのでしょうか。今回の記事では、賃上げ税制を巡る政府と企業、さらに経済関連団体との駆け引きについてレポートします。
1月25日、経団連(日本経済団体連合会:日経連)と連合(日本労働組合総連合会)の幹部が出席し、春闘の始まりを告げる「経団連労使フォーラム」がオンライン形式で開催されました。このフォーラムは毎年1月に、経団連の主催で行われています。
今回は岸田首相が提唱する賃上げの実現に向けて、経団連側が基本給を底上げする形でのベースアップを含め、3%超の賃上げを提案したのに対して、連合側は4%程度の賃上げを求めています。
それに対する企業と労働組合の意見はさまざまで、証券会社などが3%以上の賃上げ方針を示す一方、依然業績が低迷する航空、観光、飲食などの業界では、実質的な賃上げを行わないという方針も示されました。ちなみに2021年春闘の平均賃上げ率は、大手企業が1.84%で中小企業は1.73%でした。
岸田首相が前のめりで進めている賃上げ税制とは、アベノミクスの一環として始まった「所得拡大促進税制」の続きだと言えます。その要点だけをまとめると、青色申告を承認された法人や個人事業主が、決められた要件を満たした場合に、賃上げした分の10~20%が税額控除の対象になるというものです。
ところが、この税制の要件にあたる部分が非常に難解で、しかも改正を加えるごとに複雑になって行くため、予想されたほど賃上げ税制は浸透していません。それどころか、先進国中で他に類を見ないほど日本の実質賃金は毎年下がり続けています。
国内企業の現状を見てみると、現在利益を出している黒字企業は、全体のわずか35%に過ぎません。その多くは大企業であり、ほとんどの中小企業を含む残りの65%は赤字経営で、法人税を納める状況にはありません。
賃上げ税制は法人税が対象になるため、賃上げによる恩恵にあずかれるのは一部の黒字経営企業だけとなります。国内経済を支える中小企業では、この税制による賃上げ効果はほとんど期待できないと言ってよいでしょう。
それに加えて、現在新型コロナウィルス問題で多大なダメージを被っている、航空、観光、飲食などの業界では、大手企業でさえ大幅な減収減益が継続する状況です。法人税の減税と賃上げを連動させても、今後しばらくは期待する効果は得られないかもしれません。
今回の労使フォーラムでも、経団連は一律の賃上げ要請については見送っており、一部の業績がいい企業に限定して賃上げを促しています。また、現在国内では物価が上がり続けていて、この状態が継続すると消費者物価の上昇率が、実質的な賃上げ率を上回る可能性があります。その結果消費者の購買意欲が低下して、経済活動そのものが減退する危険性も考えられるのです。
国内企業の賃金が上がらないことには、もう1つ構造的な原因があります。連合のような労働者の代表機関であっても、強硬な賃上げ要求を行うことはほとんどありません。毎回主張するのは、労働者の雇用を安定的に持続させることが中心です。
日本の職場環境では、正規労働者が職を失うことはほとんどありません。賃金は一定の額が安定的に保証されており、経済状況にかかわらず賃金が大幅に減額されることもないでしょう。その代わりに、賃金の大幅アップも見込めません。
国内企業は雇用の安定性を確保するため、長期的に見ると賃金を上げなければならない正規労働者を減らし、非正規労働者の割合を増やす施策をとり続けています。低賃金で働く労働者が4割もいる状況で、企業側が賃上げを行う必要はないのです。
賃上げ税制を巡る議論では、赤字の中小企業には賃上げと連動した補助金を設けるべきだという声も聞こえます。また今回の春闘では、年功型賃金の見直しなども論点になると予測されており、その春闘は3月中旬に、集中回答日を迎えると見られます。
現在岸田政権が推進している賃上げ税制は、アベノミクスの置きみやげと言ってもよいものです。政府側の要請に従って、経団連も各企業に賃上げを打診する見込みです。しかし、あくまでも各企業の現状を考慮した対策という条件も付け加えています。
現在の労働環境のままでは、賃上げとそれに伴う景気の回復は見込めない可能性があります。正規労働者を増やして、今の社会構造を根本から立て直さない限り、積極的な賃上げの動きは起こらないでしょう。今後は政府と経団連、そして連合などが一体となって、賃上げを可能にする構造改革を進めるべきかもしれません。
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