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コロナ禍は、生活スタイルにも購買行動にも大きな影響を及ぼした。なかでも大きな影響を受けたのがコンビニエンスストア、ドラッグストア、スーパーマーケット、百貨店、外食、銀行のリアル店舗を展開する6業態だ。
感染予防対策として“3密回避”が求められたことで、生活者が小売店に足を運ぶ回数を減らしたことは間違いないだろう。また、まとめ買いやネットで注文するなど、できるだけ人との接触を避ける行動が多くなったことで、リアル店舗が大打撃を受けたことはいうまでもない。
さて、感染者数が激減し行動制限も緩和されると、生活者の行動はどうなるのだろうか。これまで足を運ぶことを控えてきたリアル店舗には、何を求めるのか気になるところだ。
株式会社電通デジタルが実施した「リテールDX調査・2021年版」によると、コロナ収束後に生活者がリアル店舗に求めることは、「実物に触れることによる“確信”と“驚き”」ということが明らかになった。
店舗での買い物に代わって利用が増加したのがモバイルオーダーやセミセルフレジなどのデジタルサービスだ。いざ、利用してみると店舗に出向く手間が省けることから、このままコロナが収束したとしても利用者が増加していくことが見込まれている。
では実際に、店舗に足を運ばなくなってしまうのかといえば、生活者のニーズはそれほど単純なものではない。やはり、「実物を見て、感触を確かめて、その上で購入したい」という、リアル店舗だからこそ味わえる“体験価値”を求めていることがわかった。
確かにデジタルサービスを利用すれば、交通費をかけてまでわざわざ店舗に足を運ぶ必要もなく、自宅で商品の色やデザイン・サイズなどを確認することができる。その利便性は明らかだ。
しかし、店舗に足を運ぶことによって得られる「非日常的な世界観の体験」、「思いがけない商品との出会い」などは、デジタルサービスでは味わうことができないものであり、時には予想を超える驚きを伴うようなこともある。
五感を通して選ぶ・楽しむことに価値を見出すニーズは、苦戦が強いられているリアル店舗を展開する6業態にとって明るい材料といえるのではないだろうか。
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