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「なんだか身体がだるい」「やる気が起きない」「何を見ても心が動かされない」など、コロナ禍で心身の不調を感じている人も多いのではないでしょうか。症状が長引くようなら早めに医療機関を受診すべきですが、ひょっとしたら“幸せホルモン”が不足しているのかもしれません。
「喜び」や「楽しみ」「やる気」などの幸福感を与える物質を「幸せホルモン」と呼ばれています。
幸せホルモンと呼ばれる代表的な物質は、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンの3種類です。これらには、心と身体が安らぐ作用があり、脳から分泌されると情緒が安定して幸福感を得られるとされています。
幸せホルモンが不足している状態が続くと、うつ病などの精神疾患になることもあります。ストレスが多くかかる社会で、日常生活でも増やせる幸せホルモンをみてみましょう。
精神を安定させる重要な物質の一つに「セロトニン」があります。これは太陽の光を浴びることで分泌されるといわれています。実は、これはホルモンではなく自律神経を整える神経伝達物質です。
増やす方法の一つは日光を浴びることですが、大豆や乳製品を摂取することも効果があるとされています。セロトニンの原料となる必須アミノ酸のトリプトファンという物質は、体内で生成されないため、食べ物からの摂取を心がけましょう。
次に、楽しいことや嬉しいことがあったとき、目標を達成したときなどに分泌されるホルモンの一つが「ドーパミン」です。脳に快感をもたらすことから “快楽物質”または“脳内麻薬”と呼ばれることもあります。
仕事やプライベートで目標を達成していくことで、ドーパミンが分泌されますが、食事によっても増やすことができます。チーズなどの乳製品や、煮豆、豆腐、納豆、枝豆、おから、きな粉などの大豆食品がおすすめです。
そして、“愛情ホルモン“とも呼ばれる「オキシトシン」。心許せる好きな人やペットと一緒にいることで分泌されます。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、旅行も飲食も制限されていますから、なかなかストレスを発散することができない状態が続いています。しかし、ストレスは心身不調の要因となりますから、そのまま放置しておくことは危険です。
ストレス解消には、趣味や特技に熱中する、習い事を始める、仕事の目標を作る、朝のジョギングやウォーキングを日課にするなども効果的とされています。
また、ちょっと高級な入浴剤でお風呂に浸かる、お気に入りの紅茶やハーブティーを楽しむ、コーヒーを淹れるのも豆を挽くところから始めるなど、何か夢中になれることで「喜び」「楽しみ」「やる気」を味わってみてはいかがでしょうか。
思いっきり楽しいことをして気分転換することが、前向きな思考を取り戻すことにつながるはずです。
精神科医・鹿目将至さんは、著書「1日誰とも話さなくても大丈夫 精神科医がやっている猫みたいに楽に生きる5つのステップ」(双葉社刊)で、心のセルフケアの方法として「自分のひざ小僧を手のひらでくるむように包んで“よしよし”する」ことをあげています。そういえば、子どもがどこかにぶつけて痛いと泣いているとき、母親が患部に手を置きながら「痛いの痛いの、飛んでいけ~」というのも、幸せホルモン効果なのかもしれませんね。
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