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スマートフォンの普及などにより、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の利用者は年々増加の一途をたどっています。
近年の調査では、ネットユーザーの7~8割がなんらかの形でSNSを利用していることも報告されており、企業が公式アカウントなどを使用してSNS上で広報やマーケティングをおこなうケースも増えてきています。
こうしたSNSのビジネス活用については、低コストで大きな成果をあげられる可能性がある一方で、一歩間違えば「炎上」などの深刻なトラブルを招いてしまうおそれもあるため注意が必要です。
企業のSNSにおける炎上とは、企業側の不適切な投稿などをきっかけに、TwitterやFacebookといったSNSに企業に対する否定的なコメントが大量に投稿されたり拡散されたりして収拾がつかなくなる現象を指しますが、こうした炎上は大まかに以下の3タイプに分けられます。
企業の公式アカウントや広告、CMなどが原因となるもの
まず、企業が発信したPRなどの情報がもとになって炎上に至った事例を見てみましょう。
こうした事例で近年話題になったものとしては、2017年にWeb上で公開された大手飲料メーカーによるビールのPR動画があげられます。動画は男性視点で撮影されており、各都市でさまざまな女性が視聴者に話しかけながら一緒に食事をするという内容でしたが、動画の女性のセリフなどからメーカーの公式Twitterなどには「卑猥」「下品」といった批判が殺到し、結局このメーカーはPR動画を公開した翌日に公開中止にしています。
また話はさかのぼりますが、2016年には生理用品メーカーが女性向けの動画メディア上で公開したソフトタンポンのPR動画が、SNS上での不買運動にまで発展するというトラブルも発生しました。このPR動画は男性に対する「彼女の生理で困ったことがある?」というアンケートではじまるものでしたが、その内容に対してSNS上には「タンポンは彼氏を困らせないために使うの?」「男性のことを考えて生理用品を選ぶの?」といった批判的な意見が次々と投稿され、「○○の生理用品は買わない」といったハッシュタグまで登場する事態を引き起こしました。
こうした例を見ていくと、企業の公式アカウントでの広報やPR動画による炎上では、「性的表現」や「差別を感じさせる表現」が原因となるケースが多いことがわかります。もちろん視聴者を不快にさせるような露骨な表現は論外ですが、たとえば幸せな家庭を描いているようなPR動画であっても、よく見ると女性だけが家事や育児をおこなっている印象を与えるような動画は、「女性蔑視」と取られる可能性もあります。また犯罪や迷惑行為を防止する広報は別として、「マナー」や「ライフスタイル」を一方的に押しつけるような広告も要注意といえるでしょう。
企業へのクレームが発端となるもの
一方、SNSでのトラブルには「食品に異物が混入していた」「店員の対応が不適切だった」といった消費者からのクレームがSNS上で拡散され、企業の公式アカウントなどが炎上に追いこまれるというケースもあります。
こうした事例で有名なのは、2013年に起こったお菓子への異物混入騒ぎです。これはお菓子の中にちいさな虫が入っていたという苦情が画像付きでTwitterに投稿されたというものですが、その際に注目を集めたのは、この商品を製造・販売しているメーカーの対応の迅速さと冷静さでした。
この「商品に虫が入っている」というツイートはまたたく間に1万回以上もリツイートされたため、この騒動は企業にとって深刻なダメージを与えかねないものでしたが、同メーカーは苦情ツイートが投稿された約3時間後という異例の速さで、公式アカウントを通じて企業の正式な見解をツイートしています。同社は公式ツイートで、画像から製品に混入していた虫が生後30~40日であると判断されることや、画像にある商品の最終出荷が約半年前であること(つまり虫の混入は商品の出荷後)を述べたうえで、投稿を「お騒がせして申し訳御座いません」という謝罪で締めくくっていました。
このツイートが投稿されてから、Twitter上では同社に対して肯定的なツイートが多く投稿されるようになり、結果的に同社の公式アカウントのフォロワーは1000人以上増えたとのことですが、一連の対応を統括した同社の取締役はメディアの取材に対して「投稿文には細心の注意を払い、文章を何度も見直した」と述べています。
これは、こうしたタイプのSNSトラブルに対する企業の対応の見本ともいえるような事例かもしれません。
従業員によるSNSへの投稿が原因となるケース
ほかにも企業に深刻なダメージを与えるSNS関連のトラブルとしては、従業員によるSNSへの書き込みが原因となるケースがあげられます。
このタイプのトラブルで有名なものとしては、東京都内のホテルのレストランで働くアルバイト従業員が、同店の利用客である有名人の情報をTwitterに投稿していた事例があげられますが、同様のケースとして都内の銀行では、行員が銀行を利用したタレントの個人情報を娘に漏らし、その個人情報を娘がTwitterに投稿するという事例も発生しています。
また従業員のSNS利用をめぐるものでは、飲食店などで従業員が店の冷蔵庫に入って写真を撮り、画像をSNSに投稿するといった、遊び半分で引き起こされるトラブルも後を絶ちません。遊び半分や出来心での投稿とはいえ、こうした投稿がユーザーに与える影響は大きく、企業の信用問題に発展するケースもあります。
これまでSNSの炎上についていくつかの事例をあげてきましたが、これらの事例からは企業がSNSを活用する際に「第三者の視点」で内容を精査するなど細心の注意を払うことが必要なのはもちろんのこと、多くの人がSNSを利用する現代においては、SNSの利用や個人情報の扱いに関する研修をすべての従業員に対しておこなうなど、コンプライアンスの徹底がより重要となっていることがわかります。
SNSは便利なツールであるだけに、個人であれ、企業であれ、「いちどSNSで拡散された投稿は消すことができない」ことを肝に銘じたうえで、その活用は慎重におこなっていきたいですね。
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