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世界的にITワーカーとも称されるIT関連従事者、ソフトウェアエンジニア、デザイナー、データ分析担当者などを含む、いわゆる「テック人材」の獲得競争が加熱しています。日本においてもデジタル化の加速やアフターコロナに向けた生存競争が始まっており、DX人材やIT人材の獲得に危機感を持つ企業も多いのではないでしょうか。
今回は、世界的なテック人材不足の背景と現状、日本でのテック人材の獲得競争に勝つために企業側が打ち出すべき対策について紹介します。
目次【本記事の内容】
実は、世界的に見てもテック人材不足は今に始まったわけではありません。コンピュータが普及する以前から、テック人材不足は常態化していました。根本的に、必要十分な人材育成ができていなかったことが大きな原因です。
当時から今に至るまで、様々な背景や理由からテック人材不足は収まっていません。身近なところでは、大学で身に付けた知識と、現場が要求するスキルのミスマッチも理由の一つに挙げられます。また、テクノロジー業界の変化スピードに対して、スキルが追い付かないことも要因です。
ここ1年半以上に渡る新型コロナウイルス感染症のパンデミックも、人材不足に拍車をかけています。英国の調査では、開発者の約8割が燃え尽き症候群に陥っている、という結果が出ました。
開発者やプロジェクトマネージャー、ITサポートスタッフは、短期間で在宅ワークに切り替えるために多くの仕事をこなすしかなく、エネルギーを消耗し切ったことが直接の原因です。
さらには、コロナ禍における情勢の変化をきっかけに、企業は大掛かりなDXプロジェクトを立ち上げたため、開発者やITスタッフたちへの負荷も重くなりました。
在宅ワークでも十分に仕事が可能なことを体感した多くのスタッフたちは、出勤する働き方に抵抗感を見せています。しかし、企業は通常どおりの勤務スタイルを望む姿勢を見せているため、英国においてはテック人材の約半数が離職を考えているといいます。
これらの背景は日本においてもほぼ同様で、IT利活用の高度化・多様化の進展、若年人口の減少などを背景とした人材不足が深刻です。このままテック人材不足を放置していれば、アフターコロナ時代には海外に大きく後れを取ってしまうでしょう。
2016年に経済産業省が発表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、2030年には日本のテック人材不足は低位シナリオで約41万人、高位シナリオで約79万人にもおよぶと予測しています。
海外と違う点は大きく2点あり、テック人材の離職に対する意識と賃金です。過去、日本は終身雇用が一般的だったこともあり、テック人材も入社した企業に長く従事する傾向がみられます。米国のテック人材の平均年収は10万ドル越え、英国7.8万ドル、フランス5.6万ドルなのに対し、日本のIT人材の平均年手は約600万円と低い水準です。
正当な評価や給与水準など処遇の高さを理由に、日本のテック人材が外資系企業に流出しているのも事実。企業に根付くのは一見よい傾向だと感じるかもしれませんが、中長期的にはスキルの陳腐化、不遇による人材流出も課題です。
DX推進の要ともいえるDX人材の新規獲得や定着に向け、企業はどのような対策を取るべきなのでしょうか。
世界有数のリサーチ&アドバイザリ企業「Gartner Japan(ガートナージャパン)株式会社」と、経済産業省公表のコロナ禍を踏まえた「DXレポート2(中間取りまとめ)」からの提言を紹介します。
2020年3月、Gartner Japan株式会社は、“IT人材の獲得競争に勝つには、従来の常識にとらわれないIT人材戦略の導入が鍵”とプレスリリースを発表。
ディスティングイッシュト バイス プレジデントでガートナー フェローの足立祐子氏の発言から、対策のヒントを見ていきましょう。
“日本企業は賃金や正当な理解と評価、ならびに技術者のニーズ(職場環境、テクノロジー導入、働き方)などの面での不満に対応できていない”
“国内のみならず海外のクラウドソーシング・コミュニティや、タレント・プラットフォームを積極的に利用する”
“柔軟で伸縮性に富んだIT組織を設計し、隠れた人材に適した雇用形態を導入する”
「隠れた人材」とは、デジタル・プラットフォームを通じて、居住国以外の国の企業で働く人々のことです。2020年時点で1万人いる日本のIT人材ですが、2025年には5万人が隠れた人材と化すと予測しています。
日本人の雇用だけではなく、海外のテック人材の活用も見据えた対策を講ずる必要があるでしょう。
2020年の経済産業省発表「DXレポート2」では、DX人材は外部ベンダー企業任せではなく自ら確保するべきとしています。対応策として、“個々人が変化に対して自ら学べるよう、社会全体としての学び直し(リカレント教育)の整備が必要”とのこと。
足立氏の発言や経済産業省の提言からは、「幅広い人材の活用と育成」「スキル支援」「給与・報酬」「柔軟な雇用形態」などが対策キーワードとして見えてきます。これらの具体策を実行してテック人材獲得競争に勝つためには、並行して企業トップの意識改革や体制整備も必要です。
過去から現在に至るまでテック人材不足は続いており、将来的にも需要が高まることは明らかです。企業には、国内外の多様な人材の活用を視野に入れた対策や、テック人材が働きやすい魅力的な労働環境作りが求められています。
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