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フリーランスとして働く人を保護するために、業務発注時に契約書の作成を義務付ける事業者の対象を拡大する方針が固められました。
自由な働き方として、フリーランスを選択する人が増えている昨今。取引先との間のトラブルも多くなってきています。そんな中で、新しい方針が打ち出されたのです。
この記事では、方針の詳細について、そしてフリーランスの契約における実態について解説していきます。
今回、公になったのは、フリーランスへの業務発注時に契約書の作成を義務付ける事業者の対象を拡大する方針です。
フリーランスとは、企業や団体と雇用契約を結ばずに個人で業務を請け負う働き方のことをいいます。好きな場所・時間に仕事ができることで、近年は人気を集めています。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって影響を受けたフリーランスは少なくありません。コロナ渦で仕事や収入への影響があった割合は、65.3%(雇用者:正社員は39.3%、非正社員は43.9%)にのぼることが、独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査で明らかになっています。
参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構・コロナ禍による仕事・生活への影響
苦境を強いられる中で、取引先との口約束によるトラブルを回避するために、今回の方針が固められました。来年2022年の通常国会に、関連法案を提出する方向で調整されています。対象拡大になるのは、資本金1000万円以下の企業が、フリーランスに業務を発注する場合の取引においてです。現在、契約書・発注書を発行する義務は「下請法」により、資本金1000万を超える企業のみが対象となっています。
では、フリーランスが知っておくべき下請法の基本を紹介します。
下請法とは、下請取引の公正化、下請事業者の利益保護を目的とした法律です。正式名称は、「下請代金支払遅延等防止法」といいます。
仕事を発注する側を「親事業者」、案件を請け負う側を「下請事業者」と呼びます。「下請事業者」に該当するのが、フリーランスや個人事業主、中小企業などです。親事業者は優位的な地位にあると見なされており、下請法は立場の弱い下請事業者を保護するために設けされています。
法律の対象となるには、以下の条件(取引内容と資本金)を満たさなければなりません。
(取引内容)
(資本金)
参照:公正取引委員会・中央企業庁・下請代金支払遅延等防止法ガイドブック
下請法において、親事業者が下請事業者に発注する際、「3条書面」と呼ばれる書類を交付することが義務付けられています。「親事業者及び下請事業者の名称」など12項目を、具体的に記載しなければなりません。
前述のとおり下請法の対象が拡大される予定ですが、実際に改正・施行されるまでには、まだ時間を要するでしょう。それまでにフリーランスとして注意しておきたいのが、取引先とのトラブルです。
内閣官房日本経済再生総合事務局の調査では、事業者から業務委託を受けて仕事を行うフリーランスを母数として、取引先とのトラブルを経験したことがある者の割合は4割にのぼることがわかっています。
トラブルの大半は、以下の内容です。
そしてトラブルを経験したことがある人のうち、書面・電子メールを受け取っていない(29.8%)、取引条件の明記が不十分(33.3%)という状況で、厳しい経験をしたフリーランスが多いことがわかります。
このようなトラブルを回避するためには、義務化されていない中でも、事前に書面の交付を親事業者に依頼すべきでしょう。または仲介業者を利用する方法もあります。もしトラブルが発生した場合でも、報酬を支払ってもらえるように直接交渉をすることが必要です。
フリーランスが安心して仕事をできるように、下請法以外にも独占禁止法や労働関係法令といった法律が整備されています。
しかし、安定した収入や仕事を継続的に得るには、まだまだ難しい状況です。新しい法案・法律の動向を追いながら、コロナ渦でも収入・売上を維持できるように、取引先との関係を構築していくことが求められます。
フリーランスと呼ばれる人は、341万人~472万人いると推測されます。副業として、個人で事業を営む人を含むと、より多くいるかもしれません。自由な働き方ができるメリットはありますが、今回紹介したような取引先とのトラブルなどデメリットもあります。
フリーランスにとって働きやすい環境が整備されるには、関連する法律の支えが必要です。コロナ渦で生じたトラブルは痛ましい事実ですが、法律を前進させるためには後押しとなる出来事だったのではないでしょうか。
※本記事の内容について参考にする際は、念のため関連省庁や専門家にご確認ください
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