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「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策の現状と課題」を公表
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「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策の現状と課題」を公表

公開日2018/08/31 更新日2018/08/31

金融庁は、金融機関等の実効的な態勢整備を促すため、平成30年2月に「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン(Open this document with Read Speaker doc Reader)」を策定しました。今回、それ以降の金融庁の取り組みと金融機関等の対応状況を「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策の現状と課題」としてとりまとめて公表しました。

マネー・ローンダリング(資金洗浄)

マネー・ローンダリング(資金洗浄)、麻薬取引や脱税、粉飾決算等の犯罪行為など不正な手段によって得た資金を、架空名義や他人名義の口座への送金を繰り返すことで、出所をわからなくするために行うものです。

その目的は、捜査機関による摘発や差し押さえを逃れるためですが、もちろん、こうした行為は法律で禁じられています。しかし、このような手口で集められた資金が、巨大な闇資金として悪用されるケースや、テロ組織への資金提供など、多くの社会問題を引き起こす要因となっています。

世界水準を下回る日本の対策レベル

日本では、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策として、犯罪による収益の移転防止に関する法律や外国為替及び外国貿易法などの関係法令によって、口座開設時の本人確認、取引を行う際の取引時確認、犯罪が疑わしい取引の届出などで対応しています。

しかし、2008年のFATF第三次対日相互審査でのレビュー結果は、日本は加盟国の中で下から5番以内という低い結果でした。国際社会においてテロの脅威などが高まる中、国際的な信頼を獲得するためにも、より一層の対策強化が急務となっています。

地域金融機関とメガバンクの課題

地域金融機関の「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策」は、これまでは法令等遵守という観点から、振込詐欺や特殊詐欺対策や反社会勢力への対応が主として進められてきました。

しかし、国際的な犯罪集団の手口が複雑化する中、これまでの対応だけでは十分とはいえません。形式的には法令違反とならない場合であっても、不自然な取引を見極め、疑わしい場合は届出をするなどの対応が必要となります。

一部の地域金融機関では、営業店での基本動作の周知・徹底に不備があり、本部のモニタリングも十分に機能していないところもあるようです。こうした対策の不備は、一地域金融機関だけの問題にとどまりません。日本の金融機関全体が国際的な信頼を損なうことにもなりかねないからです。

メガバンクでは、ガイドラインやFATFの第4次審査水準とのギャップ分析を進め、地域金融機関に比べると対策が進んでいますが、国際的に求められている水準への対策となると、まだまだ遅れているといわざるを得ません。

たとえば、個々の顧客にリスク格付を行い、リスクに応じた継続的な顧客管理、海外送金を受託している金融機関に対し、定期的にリスク管理態勢の確認、指導、さらに、貿易金融の場合は、軍事転用物資や違法薬物の取引の危険もあるため、契約条件、輸送経路、船舶名、市況調査などの調査確認を徹底することなどです。

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現金取引が主流の日本は“マネー・ローンダリング天国”

犯罪集団は、こうした対策の遅れを見逃しません。対策が遅れている金融機関の入り口にして金融システムに侵入し、犯罪によって得た収益の移転を図る傾向があるからです。実際に、小規模な金融機関を舞台に不審な送金が行われた事例が確認されています。

具体的には、次のような事例です。個人が生活費として、何度も高額な現金を海外へ送金、法人がギフト(贈与)という名目で、何度も特定の国へ海外送金、また、取引金額に照らして不審・不自然さが残る取引について、十分な確認をしていなかった事例などです。

さらに、口座開設時には本人確認・取引時確認を行っているものの、開設後に顧客の住居や事業内容などを継続的に確認していない事例や、継続的顧客管理の基準、手続きの整備に多くの課題があると指摘しています。

また、システムの運用・整備状況においても、特殊詐欺防止という点では、多くの地域金融機関が不審な取引の検知につなげているのに対して、送金取引一般については、高頻度取引や高額取引の定義設定、取引類型別などは検知が不十分で、海外取引をモニタリングシステムの対象としていない事例も多くみられたそうです。

こうした事件を防ぐためには、金融機関による厳格な顧客管理が必要です。しかし、それだけでは不十分です。消費者も気を付けなければなりません。現金でのやり取りが主流の日本は、“マネー・ローンダリングの天国”という指摘もあります。金融機関に限らず、個人もマネー・ローンダリングに対する正しい知識がこれからは必要になるようです。

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