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近年、国内で貧困率の増大が社会問題となっています。
貧困率には、生きていくために最低限必要な食料や生活必需品すら手に入れることができない人の割合を示す「絶対的貧困率」と、OECD(経済協力機構)が定めた基準によって算出される「相対的貧困率」があります。相対的貧困率とは大まかにいうと、所得が国民の所得の「中央値」の半分以下の人の割合を示すものであり、その国の「所得格差」を示す指標ともいわれています。
厚生労働省の「国民生活基礎調査」では、2015年時点での国内における相対的貧困率(※)は15.7%であり、日本では国民の約7人に1人は「貧困」と呼ばれる経済状態で生活していることが報告されていますが、こうした国内の貧困問題に対して、企業がおこなっている取り組みにはどのようなものがあるのでしょうか?
国内における貧困問題のなかでも、近年特にマスコミなどで多く取りあげられるようになったのが「子どもの貧困」です。
政府の調査によれば、相対的貧困といわれる経済環境のなかで暮らす子どもの割合は、2015年の時点で13.9%。前回の調査時(2012年)と比べて、貧困率は2.4ポイント改善しているものの、国内では約7人に1人の子どもが貧困状態にあるということになります。
こうした「子どもの貧困」に対しては、多くの企業がさまざまな形で支援に名乗りをあげていますが、なかでも大規模なものとしては、日本財団と株式会社ベネッセホールディングスが連携しておこなっている『子どもの貧困対策プロジェクト』があげられます。
このプロジェクトは、貧困家庭の子どもは将来も貧困から抜け出しにくいという「貧困の連鎖」を断ち切る解決策を検証するとともに、家でも学校でもない子どもたちの「第三の居場所」となる拠点を全国に100ヶ所設置するというもの。実際に同プロジェクトでは2016年11月に第一号となる施設を埼玉県戸田市にオープンさせています。
コンビニエンスストアだった建物を活用して整備されたこの施設では、小学1~3年の児童を平日の午後9時まで受け入れており、スタッフによる学習指導や生活指導のほか、夕食やシャワー、衣服の洗濯や乾燥といったサービスも提供しています。また施設の利用料については、子どもの家庭の経済状況によって変動するシステムを採用しており、決して貧困家庭の子どもだけを対象としているわけではないことも大きなポイントといえるでしょう。
ところで「子どもの貧困」といっても、子ども自体に所得があるわけではなく、現実に問題となっているのは、「子どもを持つ親の貧困」であり、なかでも深刻なのは親1人と子どもという「ひとり親家庭の貧困」です。
上記の調査では、ひとり親世帯で貧困状態にある子どもは半数を超えている(50.8%)という報告がおこなわれていますが、政府がおこなった「平成23年度母子世帯調査」でも、シングルマザー世帯における年間の平均就労収入が181万円と、一般世帯の平均給与所得(男性:507万円、女性:269万円)よりも極めて低いことが判明しています。
こうした「ひとり親への支援」を含めたプロジェクトを展開していたのが、金融大手のゴールドマン・サックスです。
ゴールドマン・サックスが東京都社会福祉協議会と協働して2010年9月からスタートした『ゴールドマン・サックス・ギブズ・コミュニティ支援プログラム』では、児童養護施設で暮らす子どもたちを対象に、小学・中学・高校・大学の4段階に分けた進学サポートや学費の助成などの支援をおこなっていますが、同時に「ひとり親の就労支援」もおこなっていた点が画期的でした。
残念ながら同プロジェクトによる「ひとり親の就労支援」は2016年度で終了してしまいましたが、同プロジェクトによる支援は、ひとり親の就労に関する個別面談から、資格取得のための資金援助、子どもの塾代や託児のサポートまでと幅広いものであり、「ひとり親へのサポート」を民間企業の主導により実施した数少ない例といえるでしょう。
一方、政府は子どもの貧困問題を受け、2014年1月に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」を施行しています。翌年4月には『子供の未来応援国民運動』を立ち上げ、子どもを支援する団体などに助成金を交付する『子供の未来応援基金』を創設するとともに、企業などに対して基金への寄付の呼びかけもおこなわれました。
当初は、寄付が集まりにくかったことや、政府が投じた広報費に対して寄付が少なかったことに対して批判も起こりましたが、現在では多くの有名企業が寄付をおこなった企業のリストに名を連ねています。またこうした企業のなかには、飢餓や貧困に苦しむ子どもたちへの支援と、従業員の健康促進をマッチングしたユニークな『六十年寝太郎プロジェクト』を展開する日清食品グループのような例もあります。
貧困に苦しんでいるのは子どもたちだけではなく、国内では高齢者世帯における貧困率の割合が一般の世帯よりも高いことや、貧困に苦しむ「ひとり親世帯」の多くが、働いても暮らしがラクにならないワーキングプアと呼ばれる状態におちいっていることも報告されています。
こうしたさまざまな世代にまたがった「貧困の問題」に対して、企業がどのように支援をおこなっていくのか、今後も注目していきたいですね。
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