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今回のインタビュー企画は「人事・採用のパラレルワーカーシェアリングサービス」を手掛ける株式会社コーナー代表取締役 門馬 貴裕氏を迎えたインタビューを皆様にご紹介します。
パラレルワーカーとは、副業のようにメイン・サブの関係性ではなく、どの仕事も同じ熱量で行う“複業”として複数の仕事やキャリアを持つ人材のことを指します。「1人が、複数の会社で本気で働ける社会をつくる」株式会社コーナーはこの事業ミッションを掲げており、現在ではプロ人事のパラレルワーカー登録は数千人を超えるまでに成長しています。
今回は、「パラレルワーカー活用」で事業を加速させ、組織を変える方法についてお話を伺いました。
> プロの支援で労務、制度設計、組織開発など多様化する人事課題を解決! <
──近年、特に副業・複業に対する注目度が高まっているように感じますが、門馬さんからはどのように見えていますか?
※【*新設計版】兼業・副業に関する動向調査(2020)概要版より引用
まず客観的なデータからご紹介しましょう。リクルートキャリアが2021年2月に発表した調査データによると、すでに兼業・副業を実施している人は9.8%、経験はないものの今後実施してみたいと回答した方は41.8%に上ります。
※【*新設計版】兼業・副業に関する動向調査(2020)概要版より引用
企業側でも、大半がここ3年間で社員の兼業・副業を認めたり、外部人材の受け入れをスタートしたりするなど、大きな変化が見られます。
ただ我々から見た景色で言うと、「このデータ以上に急激に変化している」と感じています。
2年前に人事・採用のパラレルワーカーシェアリングサービスをローンチした当初、私自身がパラレルワーカーとして活動した原体験からも「間違いなく今後伸びるだろう」という見立てはありました。しかし、人事・採用に特化しているにも関わらず、わずか2年ほどで数千名を超える方に登録をいただけるとは想像もしていなかったのが正直なところです。
2018年に厚生労働省が「副業・兼業の推進に向けたガイドライン」の発表、そして2020年から続くコロナ禍でリモートワークが急激に普及したことを受け、結果的にパラレルワークができる素地が急速に整っていきました。ヤフー社が副業人材(ギグワーカー)を募集したり、日立製作所社がジョブ型移行を大々的に公表したりしたことも、それらを後押しした形だと思います。
一方、労働市場をマスで捉えると、まだまだ動きが鈍い領域も多々あります。特に副業・兼業人材の受け入れ体勢については整備が遅れている企業が多い印象です。
人的資本の情報開示が求められる世界的な流れやSDGsで雇用問題が触れられる等、人事が企業価値として注目される時代。 スピーディーな組織づくりを専門性を持つプロのパラレルワーカーに任せるメリットとは?
──パラレルワーカーを受け入れることは、企業にとってどんなメリットがあるのでしょうか。
1番大きなメリットは、「社員ではなかなか採用できないような(転職市場にはあまりいらっしゃらない)レベル感の人材と一緒にプロジェクトを進めることができる」ことです。
例えば、メルカリ社のような企業に在籍し、そこで急成長過程を経験した人事担当者を正社員として採用しようとすれば、それ相応の企業魅力や待遇が求められます。下手するといつまで経っても採用できない可能性すらあるでしょう。しかしパラレルワーカーとしてであれば、必要なタイミングで必要なだけその方の知見やノウハウを借りられる可能性が高まります。実際にコーナーに登録されているプロ人事の方々の中には、そういった希少な経験をお持ちの方が多数在籍しています。
また、そうした人材が組織にジョインすることで、受け入れ側の組織にも良い影響がたくさんあります。具体的には、プロ人事のすぐそばで仕事ぶりを見てナレッジやノウハウを吸収し、急速に成長することができるなどです。実際にプロ人事を受け入れた組織にいた人が、そのやり方を間近で学ぶことで自身もプロ人事として他社プロジェクトに関与するようになるなどの事例も出てきています。
一般的に「外部人材の活用」と聞くと、アウトソーシング的な実務サポートかコンサル的なアドバイスなどをイメージされる方がまだまだ少なくありませんが、パラレルワーカー活用はそうした「その場だけのメリット」ではなく、その後も継続的に活用できるメリットが多分にある手法なのです。
──反対に、今感じている課題などはありますか?
一度パラレルワーカー活用を経験すれば、多くの企業においてその後も継続的に活用いただけるほど魅力を実感してもらえるのですが、その最初のステップで躊躇してしまう企業がまだまだ多いのが事実です。「社員と違うんでしょ?」「機密情報の扱いはどうするの?」といった声を各所でよく耳にします。
これらをクリアしていくためにも、課題になっているポイントが大きく3つあります。
従来のメンバーシップ型雇用(日本型雇用)では、社員1人ひとりにお任せする業務を細かく定義する必要はありません。そのため外部人材へ業務をお任せする際に、何をどれだけ任せるかといった要件定義を苦手とする企業は多いものです。
そのため現在はコーナーの営業担当がそこに介入し、スムーズにパラレルワーカーの受け入れを進められるよう支援をしています。ただ今後、日本でもジョブ型への移行が進めば、要件定義を自立的に進められる企業が増えるだろうとは考えています。
現状、「何ができればいくらなのか」という明確な報酬基準はありません。副業・兼業を当たり前に選択できる社会にするためにも、この基準をコーナーで作りたいと常々考えてきました。サービスローンチから2年経った今、発注サイドとパラレルワーカーの双方が満足できる報酬基準が一定見えてきてはいますが、まだまだ科学しきれていません。
また現状では需要(企業側の受け入れ件数)よりも供給(パラレルワーク希望者)の方が多いため、依頼価格が下がりやすい傾向があります。企業側からすると安く外部人材へ依頼できるというメリットはありますが、適正価格より低い状態で依頼してしまうとアウトソーシング的な活用に留まってしまい、プロ人材の知見やノウハウを吸収できるという大きなメリットを受容できなくなってしまいます。
プロだからといって「あとは任せたよ」と丸投げにしてしまっては、その力を最大限発揮してもらうことはできません。とはいえ難しい環境整備をする必要はなく、上記で挙げた要件定義を明確にした上で「できるかぎりの権限と情報を与える」ことができれば、パラレルワーカーも十分に力を発揮してくれるはずです。
また、うまく活用し成果を残している企業に共通するのは、早い段階で外部人材を“ファミリー化”しているということです。これも大それたことは必要なく、「さんづけで呼んでね」「御社や貴社じゃないよね」といったスタンス面で迎え入れているだけ。些細なことに見えるかもしれませんが、こうしたスタンスがパラレルワーカーの心理的安全性や自分ゴト化を高め、コミットレベルを高めることにつながります。
> コンサルを雇うよりも安く、派遣社員を雇うより専門的な人事人材とは? <
──うまく複業受け入れ体勢を構築して成果を上げた企業事例について、その内容を具体的に教えてください。
スタートアップの1人目採用から、大企業の複業受け入れ・採用体勢の構築まで、コーナー内だけでもいろんな事例がありますが、今回はその中から、「ゼロベースから採用体制を構築しわずか1年でエンジニア組織を倍増」させた企業の事例をご紹介します。
社員数約50名のスタートアップSaaS企業 | |
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課題 |
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実践内容 |
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結果 |
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「外部人材の活用」と聞くと、顧問・コンサル的、もしくはアウトソーシング的な活用をイメージしがちです。しかし、その領域に専門性を持つプロのパラレルワーカーであれば、知見やノウハウを持ち合わせた上で実務に臨んでいただける上に、受け入れ組織側の成長も期待できるなど、これまでにはなかった効果も期待できます。何より、通常採用では決して振り向いてもらえないような希少な人材の力を借りられるようになり、結果として事業を加速できることは、多くの企業にとって大きなメリットとなるはずです。
【プロフィール】
門馬 貴裕(もんま たかひろ)/株式会社コーナー 代表取締役
新卒で株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)に入社。人材紹介部門の法人向けコンサルタントや、ファッション業界向け新規事業責任者として企業の人事戦略・採用支援に一貫して関わりトップコンサルタントとして活躍。その後は人材紹介部門のマネージャーに従事。兼務で100名超の新入社員研修等も行う。2016年に同社を退職し、株式会社コーナーを創業。
記事提供元
「人事・採用のパラレルワーカーシェアリングサービス」
株式会社コーナーが運営する「人事・採用のパラレルワーカーシェアリングサービス」は、採用(中途・新卒・パート/アルバイト)、労務、制度設計、組織開発など幅広く企業の人事・採用課題を解決するサービスです。
コーナーは1,500名を超える即戦力のプロフェッショナルが登録をし、プロフェッショナルによる課題解決を実働支援型で行います。週1日から必要な業務内容・業務量だけプロフェッショナルの経験を活用できることで、多様化してきている人事・採用課題を効果的に解決します。
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