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経済産業省は2018年、日本企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を成し遂げる上での課題と対応策についてまとめた「DXレポート」を発表しました。しかし2021年現在、実態として日本企業ではDXの実現は進んでいません。こうした状況を受け、経済産業省は昨年から再び研究会を立ち上げて、二度目となるDXレポートを改めて2021年6月に公表しています。
そこで今回はDXとは何か、なぜ企業がDXを実現する必要があるのか、という点について詳しく解説しましょう。
目次【本記事の内容】
DXとは、スウェーデンにあるウメオ大学の教授であるエリック・ストルターマン教授が提唱した概念で、その意味は「デジタル技術を社会に浸透させていくことで、人々の暮らしをより豊かなものへと変換すること」です。英語表記だと「Digital Transformation」ですが、英語圏では「Trans」の箇所を「X」と省略して表現することが多いのでDXと呼ばれています。
日本政府は2010年代後半以降、日本社会全体で社会のデジタル化を進めはじめ、専門家を集めての研究会も複数回行っています。そして2018年には、日本企業におけるDXの必要性、対応策についてまとめた「DXレポート」を経済産業省が発表しました。企業におけるDXの取り組みとは、自社の将来の成長や競争力の強化のために、デジタル技術を活用して新規のビジネスモデルを創出し、組織体制を柔軟に変革することです。こうしたDXの実現を日本企業も進めていく必要があると、DXレポートでは指摘されています。
2018年に公表されたDXレポートでは、衝撃的な推測が盛り込まれていました。それは、企業の既存システムが直面している課題を克服し、DXを実現できなければ、2025年以降に日本経済は最大で年間12兆円の経済損失が生じる恐れがあるという内容です。レポートの中では、この事態を「2025年の崖」と呼んでいます。
では、既存システムにおける問題とは何でしょうか。DXレポートの中では以下の点が挙げられています。
日本政府としては、DXへの取り組みの遅れとそれによって引き起こされる問題が日本企業の大部分に生じ、日本経済全体が停滞してしまうことを防ぎたいと考え、業種業態を問わず企業にDXへの取り組みを進めてもらうべく、レポートの公表などを通して注意喚起を図っているわけです。
「2025年の崖」について指摘したDXレポートが公表されたのは2018年のことでしたが、実際のところ日本企業におけるDXの取り組みはほとんど進んでいません。
独立行政法人情報処理推進機構が発表した「DX推進指標 自己診断結果 分析レポート(2020年版)」では、2020年に自社のDXへの取り組み状況について自己診断をしてもらい、その結果が掲載されています(調査対象企業数は332社、合計350件の自己診断結果を受領)。
それによると、全社戦略に基づいて、部門横断的にDXを推進できる水準に達していない企業の割合は約9割に上っています。また、全社戦略があいまいで散発的なDXにのみ取り組んでいる企業が7割程度あることも分かり、DX実現に向けた組織変革に至っていない企業が大半であることが明らかとなりました。
では、なぜ既存システムを改変し、全社的なDXの実現に至らない企業が多いのでしょうか。
その理由の一つとして、既存システムの問題点に近視眼的、場当たり的に対応し、組織全体をDXへ向かわせる取り組みが進んでいないという点を挙げられます。DX導入の目的は既存システムにおける問題点の解消にありますが、DXに頼らなくても当座の問題は乗り越えられるというケースもあります。たとえば、「既存のシステムを大きく変えず、一部だけ改良・改善すればよい」「人件費などのコストを削減し商品・サービスの単価を安くし、それにより競争力を高められればよい」といった対応方法です。しかし、こうした方法では短期的にはしのぐことはできても、ゆくゆくは全社的なDXを実現して新たなビジネスモデルの下で成長を目指す企業との差が確実に出てくるでしょう。
ここでポイントとなるのは「企業文化の変革」です。経営者はもちろん、現場の従業員に対してもDX実現に向けた意識改革を働きかけ、全社一丸となって取り組む努力をしなければ、企業の生き残りにつながるDX化は成し遂げられません。DXの全体像を社員全体に示し、長期的視野に立った全社的な変革を行うことが大切といえます。
日本政府は現在、国を挙げてDXの実現に向けて注力しています。国際競争力を高め、経済を活性化させるために、企業に対してもDX化を促していますが、実際には取り組みが進んでいるとはいえません。このままでは、「2025年の崖」に落ちる企業が多発するかもしれません。
経済産業省は2021年6月に二度目の「DXレポート」を公表し、改めて日本企業にDXへの取り組みを進めるように注意喚起を行っています。現在まだ取り組みを進めていない企業の経営者・管理者の方は、自社が持つレガシーシステム(既存システム)に固執することなく、DXへの取り組みを本格的に検討してみてはいかがでしょうか。
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