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新型コロナウイルスの感染拡大によって、生活スタイルも働き方も大きく変わりました。企業にも感染防止対策の徹底が求められていますが、その中心的役割を担う総務の2020年と2021年は、どのようなものだったのでしょうか。
日本で唯一の総務専門誌「月刊総務」が、全国の総務担当者を対象に実施した「総務の2020年度の振り返りと2021年度の展望に関する調査」によると、コロナ対策やテレワーク推進の影響で、約9割が2020年度に会社のデジタル化が進んだと回答しています。
総務担当者にとっては、テレワーク導入などのデジタル化への対応も含め、オフィスの衛生管理などの感染予防対策に追われたのではないでしょうか。
それを示すのが、2020年度にコロナの影響で総務の仕事内容が「とても変わった」(19.4%)、「やや変わった」(66.9%)と、約9割の総務担当者が変化を感じていることです。
では、具体的に、どのような変化があったのでしょうか。その一部を紹介します。
次に、特に増えた業務についても紹介します。
具体的な総務業務の変化をみていくと、企業のデジタル化がコロナ前に比べ、かなり進んでいることを実感することができます。その理由として「コロナ対策やテレワークの推進が関係している」と、86.1%が回答しています。
昨今のデジタル化によって、何が変わったのでしょうか。1位が「採用・研修(36.9%)」、2位が「社内問い合わせ対応(33.6%)」、3位が「請求書・契約書(32.0%)」で、「文書管理(27.0%)」、「入退社・勤怠管理(24.6%)」が続いています。
デジタル化への動きは、2021年度はさらに加速するとされています。このような状況に対応するため、2021年度の総務体制に求めることの一位として「デジタルツールを導入してほしい(44.6%)」が挙げられました。
その他、「人員を補充してほしい(30.9%)」、「総務もテレワークできるようにしてほしい(23.0%)」、「現場の裁量権を増やしてほしい(22.3%)」、「予算を増やしてほしい(21.6%)」、「兼務ではなく専任にしてほしい(12.9%)」が続いています。
実は、遅々としてデジタル化が進んでいないのは総務などの管理部門なのです。テレワークを導入したにもかかわらず、電話番をするために緊急事態宣言中にも出社を命じられた総務担当者も多かったようです。
今回の調査では、総務のキャリアを描くうえでの「ロールモデル不在」と回答した人が80.6%と大多数を占めていました。ニューノーマル下での新しい働き方に応じて、総務の地位向上や存在価値、社内評価についても、改めて課題として挙げられています。
総務の実態を、この「総務の2020年度の振り返りと2021年度の展望に関する調査」からうかがうことができるのではないでしょうか。
総務は、業務範囲が広いため“なんでも屋”という位置付けになりがちです。しかし、変化が大きい環境だからこそ、総務業務を戦略的な意識でとらえ直すことも、評価を上げていくためには必要となりそうです。
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