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株式会社には株主総会の開催が義務付けられています。滞りなく株主総会を執り行うには、慣例・法令に従って事前準備をしっかりと行うことが大切です。
そこで今回は、株主総会の事前準備におけるポイントについて詳しく解説します。
株主総会とは、取締役や監査役の選任・解任、役員報酬の額など、企業の重要事項を決めるための機関です。法令の規定により株式会社は、株主総会を毎年開催する必要があります。株主総会は経営陣と反経営陣との間で対立構造が生じ得る場でもあり、当日に議場を混乱させないようにするためにも念入りな事前準備が必要です。
特に中小企業の株式会社では、創業者・経営者側とその親族である株主との関係が悪化し、経営権を巡って争いが生じることもあります。このとき、株主総会が法に則って実施されていないという点が争点となり、法的紛争に発展することも珍しくありません。企業側としては、紛争の余地を生じさせないためにも株主総会の事前準備をしっかりと行い、法と慣例に則って整然と開催することが重要になってきます。
株主総会の事前準備を考える場合、まずは開催に向けたスケジュールを決める必要があります。一例として、6月29日に株主総会を開催する場合の一般的な日程の取り方をご紹介しましょう。
《例》株主総会を開催する日程 | |
---|---|
3月15日前後 |
基準日公告 |
3月31日 |
事業年度末(基準日) |
4月末~5月上旬 |
各種計算書類とその不随明細書、および事業報告とその付属明細書を作成し、監査役に提出。 |
5月末~6月上旬 |
監査役が取締役に監査報告の内容を通知する。また取締役会において、各種計算書類・事業報告・不随明細書などの承認や、株主総会付義事項の決定などを行う。 |
6月10日前後 |
招集通知を発送。 |
6月14日(株主総会の2週間前) |
各種計算書類、監査報告、事業報告、不随明細書などを準備。 |
6月28日(前日) |
書面投票、電子投票による議決権行使の期限日。 |
6月29日 |
株主総会の開催 |
企業側が株主総会の事前準備を進めるにあたり、重要ポイントの一つといえるのが招集通知の準備です。送付すべき相手に招集通知が発送されなかった場合、あるいは通知内容に誤りがあった場合には、株主総会の招集手続きに瑕疵(かし)があったとみなされます。もし招集手続きに瑕疵があると、会社法631条に基づいて当日の総会での決定事項が後日取り消されることもあるため、企業側としては細心の注意を払う必要があるわけです。
招集通知は、定款で定められた基準日において株主名簿に記載されている株主に対して行います。ただし、完全無議決権株式や議決権制限株式、その他議決権のない株式を保有する株主、所在不明の株主に対しては招集通知の必要がありません。
招集通知には株主総会の日時、場所、目的事項(報告事項や決議事項)、株主総会に出席しない株主が議決権の行使が可能なとき(電磁的方法を含む)はその内容、などを記載する必要があります(会社法299条)。また、招集通知の発送は、公開会社および電子投票や書面投票を行う会社であれば総会日の2週間前まで、全株式譲渡制限会社の場合は総会日の1週間前までです(会社法299条)。
なお、取締役を設置している株式会社の場合、事業報告、監査役による監査報告、貸借対照表・損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表などの書類を招集通知に添付する必要があります(会社法437条)。
株主総会をスムーズに執り行うためには、当日に備えた準備も欠かせません。まずは株主総会の運営を担当するための「運営事務局」を設置する必要があるでしょう。想定問答集の作成、各種法定必要文書の作成、当日の運営スタッフ・議場のセッティングなど、総会を滞りなく行うためのあらゆる準備・対策を担うのが運営事務局の役割です。
また、株主総会を実際に行う前に、リハーサルを実施することも重要です。リハーサルでは開会宣言から閉会宣言までの議事のすべてを一通り行い、問題がないかをチェックします。その際、何も問題が起こらない通常のパターンと、動議発生のパターンの2通りの対策を行っておくのが望ましいです。
さらにリハーサルを通して、会場の駐車場やトイレの把握、入場から受け付けまでの株主の動線・誘導方法の確認、音響設備・空調設備の確認も行う必要があるでしょう。
株主総会の事前準備においてポイントとなるのは、「スケジュールの把握」「招集通知」「リハーサルを含む当日の準備」の3点です。度重なる法改正や社会のコンプライアンス意識の高まりにより、かつてのような「総会屋」が株主総会を混乱に陥れるというケースは今やほとんど無くなりました。しかし株主総会の開催日当日、あるいは開催を終えてから問題が生じる、問題に気づくといった事態を避けるためも、事前準備を着実に行うことが大事です。
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