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新型コロナウイルス感染拡大は、経済に大きな打撃を与え、企業の業績にも大きく影響しています。しかし、コロナ禍が続くなかで、過去最高益を上げる企業もあり、「勝ち組」と「負け組」に二極化する傾向が見受けられます。勝ち組とされる企業の戦略とはどのようなものなのでしょうか?
内閣府が5月18日に発表した2021年1~3月期の実質GDP成長率(1次速報)は、前期比マイナス1.3%(年率換算-5.1%)と、3四半期ぶりのマイナス成長となりました。
この結果、2020年度の実質GDP成長率は、前年比マイナス4.6%と2年連続でマイナスとなり、リーマン・ショックが発生した2008年度のマイナス3.6%を上回る戦後最大の落ち込みを記録することとなりました。
ほとんどの業界が、コロナ禍でマイナス影響を受けることとなりましたが、なかでも飲食業界、観光業界、アパレル業界、ブライダル業界、航空業界、自動車業界、鉄道業界、百貨店などの小売業界、映画館などの娯楽業界やテーマパークなどのレジャー業界への打撃は深刻です。
一方、インターネットやクラウド、AI(人工知能)関連など情報通信業、福祉業、物流業などは、コロナ禍が追い風となり、ソフトバンクなどの大手通信企業は軒並み大幅な増収増益となっています。
2020年の株価上昇率で上位を占めたのも、インターネット関連企業です。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みも、ますます進むことが予想されますから通信業界の好況は、2021年以降も続くとみられています。
テレワークの推進、高速大容量の5G(第5世代移動通信システム)サービスの普及が本格化することも、追い風になりました。
アパレルの老舗であるレナウンが、負債総額約139億円を抱えて倒産に追い込まれたように、アパレル業界はマイナス影響の大きかった業界の一つです。ところが、低価格帯のユニクロやしまむら、西松屋チェーン、ZOZOは絶好調です。
その違いがどこにあるのかといえば、EC戦略を先行し確固たる自社ブランドを構築しているかどうかです。
デパートなどでの対面販売を軸に展開してきたところは、いくら老舗でブランド力があっても、外出自粛や緊急事態宣言による休業要請が度々発令されるような状況では、戦う術をすべて剥ぎとられてしまったようなものといえるでしょう。
このように見てくると、“勝ち組”される企業と、“負け組”とされる企業の違いは、EC戦略の差にあるようです。
たとえば、コロナ禍で国際物流は落ち込んでいますが、国内に目を転じると巣ごもり需要の高まりで、宅配は絶好調です。ヤマトホールディングス、SGホールディングスも、増収増益となっています。また、ヤマトホールディングスは積極的にDXを進め、不在配達の解消に乗り出しているほか、SGホールディングスも在宅勤務が増える企業向けのDX支援に乗り出しています。
一方、政府の推進施策や、感染予防対策として現金ではなく電子マネーなどのキャッシュレス決済の導入が加速していますが、電子決済や経理処理のデジタル化などが今後もさらに大きく進むとみられています。
日本経済は、いまや戦後最大の危機に直面しているといっても過言ではないでしょう。企業レベルの努力だけでは、乗り越えることが難しい状況ではありますが、たとえば勝ち組とされる企業の戦略や、経理や総務などの管理業務のデジタル化などは、大いに参考になりそうです。
まさに、先行きが見通せない、視界不良の状態ですが、生き残るためには、できることをやるしかありません。それがEC戦略であり、DXであるというのであれば、「やらないという選択肢はない」ということではないでしょうか。
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