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CSRってなに?

公開日2018/08/11 更新日2018/08/11

このところよくCSRという言葉を耳にするようになりました。
CSRとは、簡単に言ってしまえば「企業の社会的責任」ですが、この言葉はあまりにも具体性がなくつかみどころのない言葉です。そこで今回は、CSRの真の意味について、国内でもCSRの取り組みが評価されている企業の具体例も併せてご紹介します。

CSRとは

CSRとは、Corporate Social Responsibilityの略で、企業の社会的責任と和訳されています。
CSRと聞くと、真っ先に「社会貢献」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。しかしCSR=社会貢献というのは、真の意味からは少しずれているのです。

以前はCSRと聞くと「本来業務や業績とは関連のない分野においても、資金を投じて社会に貢献する」ことがそれの持つ意味であると理解されてきましたし、実際に行われてもいました。個人が社会に存在するということは、生きる社会において責任を持ち、それを果たすべきであると同様に、企業も社会に存在する限りその責任を果たすべきであるとの考えから、そのように社会が動いていました。

しかし本来CSRが持つ意味は、単なる社会貢献とは若干意味合いが異なります。

現在グローバルスタンダードでは、CSR≒企業活動となっています。欧州委員会によれば、CSRを「企業が社会や環境についての問題意識を自社の経営やステークホルダーとの関係性構築の中に組み入れること」と定義しています。
つまり、企業が社会に与える影響に対して取り組むための活動を指します。
これには、企業が社会に与える負のインパクトに対する活動や、企業を取り巻くステークホルダーの期待やニーズに応えるための経営戦略的活動を含み、以前多くの方が抱いていた「ボランティア的社会貢献活動」とは異なる意味合いを持っています。

CSR企業ランキング2018年総合第1位はNTTドコモ

東洋経済新報社は、2005年から毎年CSRに関する調査を行っており、それに財務面を合わせてランキングを発表しています。

総合600ポイント中の獲得ポイントで評価を出していますが、財務面での300ポイント以外に、人材活用100ポイント、環境100ポイント、企業統治+社会性100ポイントで構成されています。2018年は上場企業を始めとする1413社が対象で、総合第1位にNTTドコモが輝きました。

NTTドコモを始め、各分野で部門別第1位となった企業はどのような取り組みを行っているのか実例をご紹介しましょう。

【総合第1位 NTTドコモ】

8つの重点課題を設定し、取り組みを行っています。代表的なものとして、

  • 災害時の危機管理体制を強化(通信インフラ整備)
  • 漁場にICTブイを設置し、塩分濃度や水温などの海洋データを提供
  • 太陽光発電やLED照明などを導入、定期的な森林整備活動を実施
  • ライフステージの変化などダイバーシティに対応する勤務体制を整備

などがあります。

【人材活用部門第1位 SOMPO ホールディングス】

  • ダイバーシティ、特に女性活躍推進に力を入れ、2020年度末女性管理職比率30%を目指す
  • 2017年時点での女性管理職比率は、2013年の5%から18.7%へ大きく飛躍
  • 残業時間が月平均9.0時間と働きやすい環境を整備

【環境部門第1位 横浜ゴム】

  • 2050年度にCO2排出量を2005年度比-50%達成するという長期計画を実施

【環境部門第1位 SOMPO ホールディングス】

SOMPOホールディングスは、気候変動による自然災害が増えることで保険金の支払いも増加することから、経営観点での環境に対する戦略的取り組みを実施し、高評価を得ました。

  • 環境対策に積極的に取り組む企業に投資を行うエコファンドを提供
  • 天災に伴う収入減少をカバーする天候インデックス保険を提供

【企業統治+社会性部門第1位 リコー】

リコーは4年連続で企業統治+社会性での評価第1位を獲得しています。

  • 脱炭型社会、循環型社会の実現を掲げ、省エネ、省資源、リサイクルなどの取り組みを実施

リコー社会貢献クラブFreeWillでは、国内外さまざまな地区へのボランティアを行うなど、それ以外にも多くの社会貢献活動がリコーグループのマテリアリティとして行われています。

以前は「社会貢献」と捉えられていたCSRも、今では本来の意味として活動が行われるようになりました。それぞれが社会問題に取り組み、ステークホルダーとのよりよい関係を構築していくことで、企業自体の業績にも好影響を与えます。
真の意味でのCSRに取り組めることが、中長期的に見た企業や社会の発展にもつながります。

現在CSRは実質的に欧州がリードしている状態です。
国内の企業においても、グローバル展開を目指す企業だけでなく、できるだけ多くの企業がグローバルスタンダードに準ずることができるよう、CSRに対する概念の抜本的な改革が要求される時期に来ているのかもしれません。

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