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マイクロラーニングが新しいeラーニング手法として注目されていますが、単に「短い動画(マイクロコンテンツ)をモバイル端末で録画、再生する」という説明では、その本質的な特徴と効果的な活用方法を理解することはできません。
この連載記事では、全4回にわたって、マイクロラーニングとマクロラーニング(ILTやeラーニングによる従来型の研修)との違いを明確にした上で、マイクロラーニングを効果的に活用するためのポイントを解説します。
第1回:マイクロラーニングとは何か?
第2回:マクロラーニングとマイクロラーニングの違い
第3回:マイクロラーニングが威力を発揮する利用局面
第4回:マイクロラーニング・ツールの種類と選択のポイント
連載第4回の今回は、マイクロラーニングを実施するためのプラットフォームを提供するマイクロラーニング・ツールの種類と選択のポイントについて解説します。
マイクロラーニング・ツールは、マイクロラーニングを実施するためのプラットフォームを提供します。
マイクロラーニング・ツールの基本機能は、マイクロコンテンツを作成するための動画のアップロードといった従来のeラーニング/LMSツールが提供してきた機能とほぼ同等のものになりますが、これに加えて、教師と生徒のフラットな関係性のもとで継続的なフォローアップを実施する、多数のマイクロコンテンツをタグ付けなどで整理するといった従来のeラーニング/LMSツールにはない機能もマイクロラーニング・ツールには必要となります。
しかし、これらの付加的な機能は、IT製品/サービスとしては決して目新しいものではなく、すでに別のカテゴリーの製品、サービスとして提供されているものばかりです。
マイクロラーニング・ツールに求められる付加的な機能を実現するIT製品・サービスカテゴリーは、以下の3つです。
企業内SNSなどを利用し、教材の公開、共有を容易にし、社員同士でコミュニティを形成することで、スキルの自然発生的な拡散を可能にする
従来の文書中心のコンテンツの分類・整理、タグ・索引検索によるナレッジ共有に加えて、動画コンテンツの分類・整理、タグ・索引検索を可能にし、マイクロコンテンツの体系化を可能にする
社員のスキルや過去の経歴と連動し、適切な教材を選択、あるいはレコメンデーションを行うことを可能にする
マイクロラーニング・ツールは従来のeラーニング/LMSツールが提供してきた機能と別カテゴリーのIT製品/サービスで提供されてきた機能を統合したものといえます。
したがって、当初よりマイクロラーニングを目的として新規に開発されたサービス以外に、従来のeラーニング/LMSツール・ベンダーが既存の製品/サービスに機能追加することでマイクロラーニング・ツールとしての製品/サービスを提供しているケースも多く見られます。
マイクロラーニング・ツールは、このようなベンダーの出自により機能上の強み/弱みを分類することができ、この特性を理解することで、自社のニーズに合った製品/サービスを選択することが可能になります。
このカテゴリーのサービスは、マイクロラーニングに必要な複数の機能をバランスよく統合することで成立しており、逆にいうと、従来のeラーニング/LMSツールが提供している基本機能については劣る場合が多いということになります。
従って、このカテゴリーの製品/サービスの利用が適切なのは、マクロラーニングとの併用が不要で、マイクロラーニングのみで研修全体を構成することができる局面ということになります。
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