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総務省統計局は、9月21日の「敬老の日」にちなんで、“統計からみたわが国の65歳以上の高齢者のすがた”について取りまとめました。それによると、高齢者人口は過去最多となり、総人口に占める割合も過去最高となりました。総人口に占める高齢者の割合は世界最高で、日本は、まさに世界有数の超高齢社会となっているようです。
目次【本記事の内容】
わが国の総人口は、前年より29万人減少していますが、65歳以上の高齢者は前年の3,587万人から30万人増加して3,617万人と、過去最多となっています。総人口に占める高齢者の割合も、前年の28.4%から0.3ポイント上昇して28.7%となり、こちらも過去最高となりました。
総人口に占める高齢者の割合が増加している要因は、第一次ベビーブームと呼ばれた1947年から1949年のいわゆる団塊の世代の存在があります。70歳以上となった団塊の世代は、前年より78万人増の2,791万人となり、総人口の22.2%を占めるまでになっています。
男女別では、男性が1,573万人(男性人口の25.7%)、女性は2,044万人(女性人口の31.6%)と、女性の方が男性よりも471万人多くなっています。
総人口に占める高齢者人口の割合の推移をみると、1950 年(4.9%)以降一貫して上昇傾向が続いています。1985年は10%でしたが、2005年に20%を超え、2020年は28.7%となり、3割に届くのも時間の問題です。
75歳以上が前年より24万人増の1,871万人(14.9%)、80歳以上が36万人増の1,160万人(9.2%)ですから、団塊の世代が日本の人口構成に大きく作用しているかがわかりますが、国立社会保障・人口問題研究所は、この割合は今後も上昇を続けていくという推計をしています。
それは、1971年から1974年に生まれた団塊の世代の子どもたち、いわゆる“団塊ジュニア世代”が、2040年には65歳以上になります。団塊ジュニア世代が生まれた第二次ベビーブームでは、出生数は年間200万人以上を超えていました。
第一次ベビーブームの出生数の270万人よりは少ないものの、少子化が加速する現在の出生数とは、まさに雲泥の差です。
国民が健康で長生きができる社会は、大いに歓迎すべきことですが、問題となるのが年金や高齢者医療費補助などの社会保障体制の根幹が揺らいでいることです。
現在、現役世代の2人ないし3人で、1人の65歳以上の高齢者を支えていることになります。しかし、総人口に占める高齢者の割合が、さらに増加していくとなれば、現役世代の社会保障費の負担はさらに重くなることになります。
その対策として、政府は年金支給開始年齢の引き上げの検討や、定年延長や高齢者を積極的に雇用するよう働きかけています。
高齢者就業者数は、2004年以降、16年連続で前年に比べ増加し、892万人と過去最多となりました。また、15歳以上の就業者総数に占める高齢就業者の割合も、13.3%と過去最高となっています。
少子高齢化は、日本だけでなく世界共通の課題でもありますが、各国の2020年の総人口に占める高齢者人口の割合を比較すると、もっとも高いのが日本の28.7%、次いでイタリアの23.3%、ポルトガの22.8%、フィンランドの22.6%となっています。
高齢者の就業率でも、日本は24.9%(2019年)で主要国の中で高い水準にあり、10年前との比較では日本が5.3ポイント増、カナダが4.3ポイント増となっています。
統計からみえるてくる日本の姿は、まさに超高齢化社会の先頭を走っているというものです。そして、超高齢化社会が抱える課題に対して、どのような対策をとり、どのように乗り切っていくのかが問われている、という現実ではないでしょうか。
人生100年時代と言われています。高齢でも働く意欲があれば、就業できるように、政府は“1億総活躍社会を目指す”と、キャッチフレーズを掲げています。
人口構成が逆ピラミッド型となる超高齢化社会で、どのようなキャリアを積み重ねていくべきなのか、ビジネスパーソンとしては考える必要がありそうです。
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