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すでに6000社以上が認定!?健康経営優良法人とは
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すでに6000社以上が認定!?健康経営優良法人とは

公開日2020/11/10 更新日2020/11/11

2019年に施行された「働き方改革」により、職場環境の改善や従業員のワークライフバランスへの取り組みが一気に加速しています。

働き方改革に先立って、2017年から始められた経済産業省の健康経営優良法人認定制度が注目を集めています。開始当初は合計350法人に満たなかったのが、2020年には6000以上の法人が認定を受けるまでになりました。

優遇措置を講じる自治体も増えており、今後スタンダードな認定制度となりそうな健康経営優良法人について解説いたします。

健康経営優良法人とは 

健康経営優良法人とは、従業員などに対して優良な健康経営を実践しているとして認定を受けた法人です。

各地域の健康課題に即した取り組みや、日本健康会議(経済団体、医療団体、保険者、自治体などで組織)が進める健康増進の取り組みをもとに調査・評価をする認定制度で、いくつかの評価項目に適合した法人が年度ごとに認定を受けることができます。

健康経営有料法人は大企業と中小企業とでそれぞれ別々の部門で認定されます。

大規模法人部門


(画像引用元)経済産業省ホームページ「健康経営優良法人認定制度」[1]

規模の大きい企業や医療法人などを対象にした健康経営優良法人が認定されます。「健康経営優良法人2020」では1476法人が認定されています(令和2年9月1日)。

大規模法人の中でも特に優良な上位500法人は「ホワイト500」の認定を受けることができます。

中小規模法人部門


(画像引用元)経済産業省ホームページ「健康経営優良法人認定制度」[2]

中小規模の企業や医療法人などを対象にした健康経営優良法人が認定されます。「健康経営優良法人2020」では4815法人が認定されています(令和2年9月1日)。

2021年度から、中小規模法人部門の中でも特に優良な上位500法人は「ブライト500」として表彰を受けることができます。

健康経営優良法人に認定されるメリットは?

「健康経営優良法人」に認定されると、ロゴマークの使用が可能となり、社会的な評価を受けられます。

加えて、次のようなさまざまなメリットが得られます。

●地方自治体や民間企業のインセンティブ

まず最も直接的なメリットとしては、都道府県・市町村などの自治体や、金融機関や保険会社などの民間企業などが提供するインセンティブ措置が受けられます。

インセンティブの内容は各自治体や民間機関により異なりますが、一例として次のようなものがあります。

〇地方自治体(県・市町村)によるインセンティブ措置

・運転資金や特定の事業資金についての融資で優遇措置

・健康経営促進事業等を補助金で支援

・自治体独自の認定や首長による表彰

・WEB媒体やリーフレット等による企業PR

・ハローワークの求人票に認定事業所である旨の記載が可能

〇地方銀行、信用保証協会によるインセンティブ措置

・金利の優遇

・事業資金について基準保証料率から割引

〇保険会社によるインセンティブ措置

・保険料の割引

特徴的なものとして「ハローワークの求人票に記載できる」といったものがあります。

労働環境の良さをアピールすることで、採用募集において有利になると言えるでしょう。

●企業イメージのアップ

健康経営優良法人の認定は、求職者、取引先、投資家などに対するイメージアップにつながります。

〇求職者に対して

生産者人口の割合が低下している中で、従業員の確保は多くの企業にとっての最重要課題の一つです。

経済産業省の調査によれば、「将来、どのような企業に就職したいか(させたいか)」という問いに対して、就活生の43.8%(2位)、就活生の親の49.6%(1位)が「従業員の健康や働き方に配慮している」と回答しています(経済産業省 ヘルスケア産業課・平成29年)[3]。

前の項でもハローワークの求人票に記載できる自治体があることに触れましたが、健康経営優良法人の認定は求職者の確保に直結しますし、現在雇用している従業員に対しても離職率の低下につながります。

〇取引先に対して

従業員への健康投資は、従業員の活力向上、引いては企業の生産性向上につながる取り組みです。「優良」という評価は、自治体や社会、労働者などからだけではなく、取引先との関係においても重要です。生産性が高くて活力のある企業と取引したいと考えるのは会社経営者として当然のことで、健康経営への取り組みは企業の売上にも直結していくことが予想されます。

〇投資家に対して

投資家に対しても同様です。健康経営に取り組む企業は、従業員が活力に満ち、若い社員にも就職先として選ばれ、企業としての成長が期待されます。

また昨今はESG投資という考えが若い世代の投資家を中心に浸透してきており、「社会を良くする企業」への投資意欲が高まっています。

実際、経済産業省が主催する「健康投資ワーキンググループ」においても、ESG投資のテーマの中で健康経営について触れられました[4]。

健康経営優良法人は企業の株価向上にもつながることが期待されます。

このように、従業員の健康を重視する取り組みは、単に社会貢献や企業のイメージアップにとどまらず、企業の経営や投資の観点からも実利的なメリットがあると考えられます。

健康経営優良法人に認定を受ける手順や条件

次に健康経営優良法人に認定されるための手順について大まかに解説します。

大規模法人部門と小規模法人部門とでは若干流れが異なるので注意してください。

●大規模法人の場合

〇認定までの流れ

1.健康経営度調査に回答する*

2.調査で認定基準に適合したら申請書を受領する

3.申請書を提出する

4.認定委員会による審査を受ける

5.日本健康会議により認定

*詳しくは経済産業省ホームページ「健康経営度調査について」をご参照ください。[5]

〇実施スケジュール

健康経営度調査:令和2年8月24日(月)~令和2年10月16日(金)

申請期間:令和2年11月下旬~12月上旬

認定日:令和3年3月頃(予定)

認定期間:認定日~翌年3月31日

●中小規模法人の場合

〇認定までの流れ

1.協会けんぽなどの保険者が取り組む「健康宣言」事業に参加する*

2.申請書を作成する

3.申請書を提出する

4.認定委員会による審査を受ける

5.日本健康会議により認定

*詳しくは法人で加入している保険者にお問い合わせください。

〇スケジュール

申請期間:令和2年8月24日(月)~11月27日(金)

認定日:令和3年3月頃(予定)

認定期間:認定日~翌年3月31日

健康経営優良法人の認定については、経済産業省のホームページに、認定要件や申請方法などの詳細が掲載されているのでチェックしてください[6]。

まとめ

2017年に始まった健康経営優良法人制度は始まったばかりの取り組みですが、認定を受ける法人は年々増え続けています。2019年に「働き方改革」が施行され、職場環境やワークライフバランスの見直しに取り組む企業が標準化してきました。今後は健康経営優良法人や働き方改革などの取り組みに着手していないと「取り組んでいない企業」というマイナスのレッテルを貼られる時代が来るかもしれません。

健康経営優良法人の認定への取り組みは単なるイメージアップだけではなく、取引先や投資先として選ばれる必須要件にもなりつつあります。

まだ取り組まれていない企業は、ぜひこの機会に検討してみてはいかがでしょうか。

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