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ERPとは、Enterprise Resources Planningの略称で、経営資源を総合的かつ一元的に管理する経営手法やシステムのことを指します。ほかにも、統合基幹業務システムや基幹系情報システムなどとも呼ばれています。
ERP導入により、企業の資源要素である「ヒト・モノ・カネ・情報」を有効活用できるため、効果の高い企業戦略には欠かせない位置付けとなっています。
今回は、ERP導入により企業が得られるメリットと、導入時のポイントを解説します。
目次【本記事の内容】
企業がERPを導入すると、主に次の6つのメリットが得られます。
ERPの導入により、経理・財務・営業・販売・物流など、それまで部門ごとに点在していた社内データをすべて一元管理することができます。経営の根幹をなすそれぞれの重要データを、1つのデータベース・データシステムに統合できるのがERPの特徴でもあり、大きなメリットといえます。
1つのデータベースに部門ごとのデータが集約されることで、全社間でリアルタイムに反映されたデータを使えるようになります。また、社内データの一元化によって、データ収集や加工にかかる時間短縮が可能となり、データの入力ミス、データの二重化などの課題も解決できます。
ERP導入により情報が一元管理されることで、企業内のあらゆる情報をすばやく把握できるため、部門をまたぐ業務の効率化が図れます。また、部門を超えて一元化されたテンプレートやフォームが活用でき、入力などに要する時間の削減や入力ミスの防止にもつながります。
部品納入時を例に挙げると、それまでは調達管理システムと在庫管理システムに同じデータを入力する必要がありました。しかし、ERPを導入することで、2重にデータ入力する必要がなくなり、人的・時間的リソースなどを別の業務に活用できるようになります。業務効率の向上により、限りあるリソースを最大限に生かせるのも、ERP導入のメリットです。
ERPは、経営管理に必要な、売上・利益データ、生産工数・コストデータ、仕入・在庫データ、営業実績、人事データなどを一元的に把握できます。データ集計や分析にかかる時間が短縮されることで、経営サイドは迅速かつ的確な意思決定が可能となります。
スピードが求められる時代において、より早い経営判断を下せるのは大きなメリットといえるでしょう。また、社員にとっても部門を横断したデータを客観的に把握できるため、状況に応じた業務の先取りができるのもメリットです。
企業内で扱う、個人情報や売上・利益情報、取引情報などの管理においては、万全の情報漏洩対策が必要です。ERP導入により、各部門や業務ごとに行っていたセキュリティ管理を一元化できるメリットがあります。
高度な情報管理と同時に、業務分担に合わせた詳細なアクセス権限管理も容易なため、社内からの情報漏洩も防げます。
ERPは、部門統廃合や新設時などにおけるシステムメンテナンスが容易なため、システム管理者の負担が軽減されるメリットがあります。
さらに、基幹システムが統合されたERPは、システムメンテナンスや更新などを全社一括で行えるため、全社員への告知業務などにかかる時間も削減できます。
J-SOXにより企業の透明性が求められるなか、コンプライアンス維持のための内部統制強化につながる点も見逃せません。
ERP導入でリソースを一元管理できるため、社員による不正防止・抑制効果が期待できます。たとえば、各プロセスにおける申請・承認フローを設けることで、担当者の不正や違法行為防止に活用できます。
日々の業務で必要なデータを一元管理できるERPですが、導入後にメリットを得られなければ意味がありません。ERP導入を意義あるものにするには、次のようなポイントを抑えておく必要があります。
ERPは国内外を問わず様々な製品があります。経営サイドは、既存システムの現状と課題を把握したうえで、複数のERP開発事業者(ベンダー)担当者に相談し、どのERPを導入すれば効果的なのかを判断しましょう。
・ERP導入により既存の業務が簡略化される一方で、従来の業務の一部が不要となります。導入したことで効率性の低下を起こさないためにも、部門間を横断したワーキンググループを設置し、どのようなツールを共有すべきか、どこまで統合が可能かなど、しっかりと調整しておくことが大切です。
・ERPのメリットを社内組織全体で共有し、より深い理解をうながすことが求められます。
既存のシステムで十分だった、部門間の協調性がなくなった、といった社員の不満が生じないよう、システム管理者などが社内講習会を開き、社員への意識改革を行いましょう。
ERPを導入することで、企業経営に必要な社内データの一元管理が可能となり、業務効率の向上や迅速な意思決定など、様々なメリットを得られます。これからERPを導入する際は、最大限のメリットを得るためにも、自社にマッチしているかを選定するとともに、社員への意識改革を行いましょう。
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