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日米欧におけるCEO及び社外取締役の報酬比較からみえてくるもの
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日米欧におけるCEO及び社外取締役の報酬比較からみえてくるもの

公開日2020/10/07 更新日2020/10/08

2020年の7月末と8月末に、世界有数のコンサルティング関連企業であるウイリス・タワーズワトソンは、日米英独仏の5ヵ国における、2019年度の役員報酬に関する調査結果を発表しました。

先行して発表されたのは、各国を代表する企業のCEO報酬で、続いて社外取締役報酬が発表されました。調査の結果明らかになったのは、依然として日本とその他の国々との間にある報酬の格差です。今回の調査を中心に、日本企業の報酬制度についての現状と、今後の見通しを検証します。

コーポレートガバナンス・コードの存在

日本の企業でも、欧米企業と同じような報酬体系に近づけようという取り組みが継続しています。そのきっかけになったのは、金融庁と東京証券取引所が中心になって立案し、2015年6月から適用された「コーポレートガバナンス・コード」です。

コーポレートガバナンス(Corporate Governance)とは、企業が社会に対して負っている責任を、適正に管理する全体的な仕組みのことです。東証一部・二部に上場する企業は、原則としてコーポレートガバナンス・コードを遵守する必要があります。

コーポレートガバナンス・コード策定の目的は、大まかに言うと日本企業の体質を改善して、世界市場で通用する経営力を育てることです。その中の第4章に、経営陣の報酬についての項目があり、欧米の報酬体系を参考に、日本企業の報酬についても見直すことが盛り込まれています。

日米欧のCEO報酬比較

今回発表されたウイリス・タワーズワトソンの調査では、ここ5年間のCEO報酬の推移も発表されており、そこにはコーポレートガバナンス・コードの影響がはっきりと見てとれます。

その前にまず、調査の概況から紹介しましょう。調査対象は各国とも売上高1兆円以上の企業で、日本では70社が回答しています。データはすべて中央値を用いており、ほぼ平均値と同等とみなしてよいでしょう。

CEOの報酬総額では、アメリカの14億5,000万円が突出しています。対する日本は1億9,000万円と、5ヵ国中でダントツの最下位です。これでも2015年の1億3,000万円と比べれば、年々確実に増加しています。しかし、4位のフランスでも日本のおよそ2.5倍。欧米との格差はまだまだ大きいといわざるを得ません。

次に日本のCEO報酬の内訳を見てみると、2015年には基本報酬が58%、年次インセンティブが28%、長期インセンティブが14%だったものが、今回の2020年ではそれぞれ40%、31%、29%へと大きく変化しています。

つまり日本でも報酬体系に関しては業績連動型への移行が進み、欧米の体系に近づいてきたといえるでしょう。これはコーポレートガバナンス・コードの影響が大きいと考えられます。ただしアメリカでは業績連動型報酬が全体の90%を占めており、この点でも日本とは大きな開きがあります。

日米欧の社外取締役報酬比較

8月に発表された社外取締役報酬の調査では、5ヵ国間でそれほど大きな格差は見られませんでした。1位はやはりアメリカの3,270万円ですが、日本も4位で1,430万円と健闘しています。

日本での報酬水準は毎年1,500万円前後で推移していますが、今回の調査では大幅に増額した企業も増えています。コーポレートガバナンス・コードの基準によって、社外取締役の役割や責任が拡大したことが理由として挙げられるでしょう。

日本企業における役員報酬の現状

東洋経済新報社の「役員四季報2020年版」では、上場3,740社の役員人事データが公表されています。その中では役員報酬のトップ500もランキングとして公開されています。日本の企業が経営トップに支払う報酬がどのくらいなのか、その現状を確かめてみましょう。

今回ランキングトップだったのは、ソフトバンク・グループの副会長であるR.フィッシャー氏の32億6,600万円でした。CEO(最高経営責任者)に絞って見てみると、武田薬品工業のC.ウェバー社長の17億5,800万円がトップです。

CEOと社長とは、厳密には同じポジションといえませんが、立場上、企業のトップとしてひとくくりにすると、ランキングでは意外に少ないことが分かります。それよりも会長や社内外の取締役のランクインが目立っています。

今回のランキングで報酬が10億円を超えたのは10人。その中の7人は外国人で、しかも社長の役職にある人はわずか1人。この現状は、はたして報酬体系の変革につながっているのでしょうか。

新型コロナウィルスによる役員報酬への影響

国内のコンサルティング関連企業であるデロイトトーマツは、2020年3月以降の役員報酬に関する調査結果を報告しています。それによると新型コロナウィルスの影響から、今後役員報酬の減額を進める企業が増える可能性があるようです。

役員報酬の減額は、すでに外食やサービス業で実施されています。今後は業績連動型報酬を減額する流れも加速するかもしれません。今のところリーマンショックと同程度の減額規模ですが、今後新型コロナウィルスの動向によっては、さらに悪化する可能性もありそうです。

まとめ

近年日本の企業でも、経営陣の報酬は業績連動型の比率が増えてきました。とはいえ、欧米との報酬格差は依然として大きく、今後同等のレベルに達するまでには、まだかなりの時間を要するでしょう。

さらに不確定要素として、新型コロナウィルス問題が、どの程度企業経営に影響を与えるかを注視しなければなりません。来年発表される調査結果では、日米欧それぞれに大きな変化があるかもしれません。

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