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新型コロナウイルス感染症は、健康面だけでなく、私たちの日常生活や経済をも脅かしている。なかでもいま問題視されているのが、“心の病気”=うつ病だ。
働く人々は、不安定な社会情勢で会社の業績が下がり、給与や雇用などで不安を抱えている。また、テレワークや時差出勤など、慣れない働き方で心身疲弊している人が多い。
この状況は、専門企業による調査でも結果が出ている。
株式会社ジャパンイノベーション(本社:⼤阪府⼤阪市、代表取締役社長:伊藤英樹氏)は、精神科医である同社代表が開発した国内初の精神疾患スクリーニングツールを法人向けに提供している企業だ。同社では、新型コロナウイルス感染症関連で引き起こすうつ病の早期発見・悪化防止を目的として、2020年5月28日より一般向けにこの精神疾患スクリーニングツールを無料で提供している。
このたび、本ツールを使用・分析して出た、うつ病の割合や性別・年代別・職業別・世帯別などのデータを公開している(調査期間:2020年5月28日~6月22日、調査人数:7,589人)。本記事では、この調査結果を一部抜粋してご紹介する。
なお、本調査は「心の不調に関心・違和感がある人のうつ病の可能性の早期発見」を目的に実施したため、母集団で不調者が含まれる割合が高くなった傾向がある。とはいえ、コロナ禍という特殊な環境下において、人々の日常やメンタルヘルスは大きな影響を受けていると言ってよいだろう。
※15歳以下は診断基準が異なるため、分析対象外
※全てのグラフの割合は小数点第3位を四捨五入しているため、割合の合計が100を超える場合があり
<調査結果の概要>
●うつ病の可能性ありの人(軽度~重度)の割合は受検者全体の5割超えに
●若い人ほどうつ病の可能性あり。トップは20代
●無職の人はどの年代もうつ病の可能性ありの人の割合が高い
全体のうつ病判定結果では、うつ病の可能性がある人(軽度~重度合計)の割合が52.29%と、過半数を超えた。ジャパンイノベーションがコロナ禍以前に法人対象で調査した際は、同じくうつ病の可能性がある人は20%未満という結果が出ることが通常であり、コロナ禍での調査結果の数値が非常に高いことがわかる。
同社によると、軽度うつ病は意図的な生活環境の改善で治癒が可能とのこと。まず、自分なりの発散方法を見つけて、中等度以上にならないように心がけることが大切だ。
うつ病の可能性がある人の割合(軽度~重度合計)を年代ごとに比較すると、20代が65.2%とトップに。以降、年齢が高くなるにつれて、その割合が低くなっていくことが判明した。
また、各年代の男女を比較すると、ほとんどの年代では男性より女性の方がうつ病の可能性ありの人の割合が高かった。さらに30代までの軽度~重度のうつ病の可能性と、40代~50代の軽度のうつ病の可能性では、女性の方が割合が高い。しかし、40代~50代の中等度・重度うつ病の可能性ありの人の割合は、男性の方が上回った。
20代はどの職業も、うつ病の可能性がある人の割合(軽度~重度合計)が全年代の全体の割合の平均以上だった。一方、年代に限らず、軽度~重度のうつ病の可能性ありの人の割合が高かったのが、無職。平均を10%以上上回った。
いかがだろうか。
新型コロナウイルスとの共存は、長期戦を覚悟しなければならない。企業で従業員の心身の健康を管理すべき人事・総務担当者は、いま高まっている従業員のうつ病の可能性を軽視せず、できる限りの対策を講じるべきだろう。
なお、本調査の詳細結果は、プレスリリース・ニュースリリース配信サイト「PR TIMES」で同社が情報を発信しているので、特に企業の人事・総務担当者は参考にしてほしい。
(本記事の調査内容は株式会社ジャパンイノベーション調べ)
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