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人工知能(AI)の進化が、社会の仕組みや働き方を大きく変えようとしています。アメリカでは、人事部門でのAI活用が急激に伸び、人事評価もAIが代行するようになってきました。しかし、日本ではAIによる人事評価に対する抵抗感が強く、なかなか浸透していません。それはなぜなのでしょうか。
日本で、AIによる人事評価が進まないのは、これまで上司や経営者が行ってきた人事評価を、AIが下すことに強い抵抗感があるからです。
それを如実に示すのが、朝日新聞がビッグデータ活用への意識を探るために行った世論調査の結果です。ビッグデータの活用そのものには、半数以上が関心を示していますが、プライバシー侵害に「不安を感じる」は73%に達しています。
また、「AIによる人事評価」については、50代が86%、60代以上が80%以上、18~29歳が74%、30代では73%が「抵抗がある」と回答し、とくに50代、60代に抵抗感が強いようです。
10〜20年後には「日本の労働人口の約49%がAIやロボットに置き換えられる可能性がある」という、民間シンクタンクの予測もありますが、集められたデータを元に、ルールに基づいて短時間で傾向や予測を導き出すために開発されたのがAIです。
しかし、人間独自の思考回路までは、まだ組み込まれていません。人事評価は、社員の将来に大きな影響を与えるものだけに、AIで評価を決定することには慎重であるべき、というのが日本のビジネスパーソンの考え方のようです。
AIによる人事評価の先進国であるアメリカでも、米Amazon.comが人材採用で使った機械学習システムが、女性差別を助長するとして運用中止に至ったことがあります。
これを問題視した人工知能学会は、「機械学習の不適切な利用は公平性を欠く可能性がある」(2019年12月)と注意を呼びかける声明文を発表しています。
また、日本アイ・ビー・エム(IBM)と子会社などの従業員約120人による労働組合「JMITU日本アイビーエム支部」(JMITU)が、同社のAIを使った人事評価や賃金決定の施策に対し、「判断の過程がブラックボックス化している」などと反発し、東京都労働委員会に救済を申し立てて受理され、都労委が解決に向けた調整に入ることになっています。
さまざまな分野でAIの活用が広まりつつありますが、それによる新たな課題が浮かび上がっていることも否めません。
これまでの人事評価や人材配置は、実績や将来性を見据え、最終的には上司や経営者の主観によって決められてきました。しかし、あくまでも主観ですから、そこには個人的な好き嫌いや、上司と部下の関係性も大きく左右することになります。
いわゆる情実人事や依怙贔屓といった、不透明さも付きまとってしまいます。AIの活用で客観的なデータによる評価は、その不透明さを解消することにつながります。それは、社員のモチベーションを高め、最適な人事配置や離職防止にも効果を発揮するでしょう。
労働人口の減少が深刻な日本企業には、生産性の向上や、成果主義への移行など、グローバル競争に打ち勝つ人事システムの構築が課題とされています。人事業務を効率化する手段としてもっとも期待されているのが、中高年層が強い抵抗感を抱いているAIということです。
新しいビジネスをもたらすといわれるAIですが、日本での人事評価への導入は、この先、どうなっていくのでしょうか。
自動運転や音声認識、AI囲碁プレイヤーなど、AIを活用したモノやサービスが続々と登場しています。テクノロジーの目指しい進化によって、あらゆる分野にAIが活用されることになるでしょう。
しかし、AIが浸透すればするほど、法的、倫理的な観点による課題も浮き彫りになっていまます。その課題に、どう立ち向かっていくのかが、これから問われることになりそうです。
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