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男女の賃金格差がかなり縮小してきたこともあり、妻が夫より高収入を得ているケースを耳にするようになってきました。こうした収入格差のある家庭では、ときにこの収入格差が原因となり家庭不和にまで陥ることもあるようです。
また、日本の多くの家庭では妻が家事を負担することが多いですが、海外ではどうなのでしょうか。今回は、海外のデータも交え、夫よりも高収入を得る日本女性の実態や、仕事と生活をうまく両立させるコツについてお話しします。
昭和の高度経済成長時代は、「夫が稼ぎ、妻が家事を負担する」という構図が一般的でした。平成・令和と時代が変化するにつれ、女性が社会進出して稼ぐのが一般的になりつつあります。
この背景には、年功賃金の崩れなどにより夫の収入が決して上がってはいないこと、子どもへの教育費がかさむことなどが要因となり、妻も働かないと生活が苦しいという事情も見え隠れします。「少しでも家計をラクにしたいから、夫が配偶者控除を受けられる範囲内で働く」という本音の声を巷でよく耳にするのではないでしょうか。
総務省の『就業構造基本調査/2017年』のデータによると、既婚の25~54歳の非正規雇用者の46.7%は就業調整を行っているとのこと。妻が夫よりも高収入を得るには、配偶者控除内で働くというスタイルから脱却する必要がありますが、制度に縛られている感は否めません。
では、海外と比べて妻が夫よりも稼いでいる家庭は多いのか少ないのか、次の項で見ていきましょう。
実は、海外と比較すると、夫よりも高収入の妻の割合は、日本が一番少ないのです。2012年に国際社会調査を行う『ISSP』が41カ国の家庭を対象に行った、夫婦の所得比較調査があります。妻が働いているか無収入かにかかわらず、「同居する配偶者のどちらの所得が多いか」という調査内容です。
調査に対する回答結果は驚くべきものでした。なんと、調査対象41カ国中、妻の所得のほうが夫よりも多い割合で見ると、日本が5.2%ともっとも少なかったのです。
順位 |
調査対象国 |
妻の所得のほうが多い |
夫の所得のほうが多い |
妻が無収入 |
1 |
日本 |
5.2% |
88.3% |
25.3% |
2 |
トルコ |
7.5% |
86.8% |
57.8% |
3 |
オーストリア |
11.0% |
75.1% |
7.1% |
4 |
チリ |
12.0% |
72.1% |
31.1% |
5 |
韓国 |
12.0% |
69.0% |
30.5% |
6 |
オランダ |
13.6% |
72.5% |
9.9% |
7 |
スペイン |
14.2% |
69.6% |
30.0% |
8 |
英国 |
15.2% |
73.6% |
5.5% |
9 |
ドイツ |
16.3% |
72.6% |
7.9% |
10 |
フィリピン |
19.1% |
71.7% |
39.7% |
(同等の割合を除く)資料元:ISSP
夫より妻の所得のほうが多い国No.1はインドの27.7%、No.2は米国の24.9%で、約1/4の家庭において妻のほうが夫より多く稼いでいる、という結果でした。「夫の所得のほうが多い」という結果に着目しても、41カ国中で日本はもっとも少ないのです。
ただし、すべての国において、「夫の所得のほうが多い」ケースが多いという結果でした。データからは、世界的な傾向も含め、夫の所得を上回るほど稼いでいる妻は少ないという実態がわかります。
家事の種類には、日々の料理や洗濯、掃除、食料や日用品の買い物のほか、家族が病気になったときの世話などがありますが、どうやら日本では主に妻が家事を負担しているようなのです。
先の『ISSP』が2012年に37カ国を対象に行った『家庭と男女の役割』の結果によると、日本の妻の料理負担は1位、洗濯は8位、掃除は3位でした。買い物と家族が病気になったときの世話を妻がするのも、日本が1位という結果でした。やはり日本の妻は各国と比較すると、家事の負担をメインで担っていることがわかります。
また、同調査機関の「夫婦の所得差と家事分担の関係」で「主に妻が料理を分担する夫婦割合」に注目した調査結果からも、日本の妻は他国よりも突出して料理を負担していることがわかりました。夫よりも妻の所得が少ない家庭ほど、妻が料理を担当する傾向にあることが推測できます。
その一方、やや救われるようなデータもあります。メディアのコメンテーターとしても活躍するマーケティングライター・牛窪恵氏の調査では、妻の年収が500万円以上になると、夫の勤務日における調理日数・時間などが多い傾向になるということです。(「妻の年収が高い」と夫は家事をする:日経ビジネス電子版より)
データで見てきたとおり、夫よりも高収入の女性はまだ少数派です。それゆえに、仕事と生活の両立で悩んでいても、周りに相談しにくい環境といえるでしょう。そこで、どんなポイントに注意して両立させていけばよいのかをご紹介します。
料理などの家事や育児、自治体との付き合いなど、妻だからといってすべての家事を負担する必要はありません。
むしろ、「洗濯は苦手だから、お願いしていいかしら」と夫のサポートを必要としていることを示しましょう。
たわいもない夫の行動であっても、「助かるわ」「○○をしてくれたの!ありがとう」と感謝の言葉を伝えることも大切です。夫婦間の信頼や尊敬心が育つことで、収入格差による揉めごとが起きにくくなるでしょう。
働く女性が増えているとはいえ、世界的に見ると日本はまだまだ少なく、夫よりも高収入の妻は少数派です。妻の収入のほうが多いという理由で家事を手抜きしにくいのも事実。うまく家庭生活を営むには、収入に関わらず、両者ともに敬って協力しあう、という姿勢が欠かせないでしょう。
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