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アベノミクスの「三本の矢」は、デフレからの脱却と富の拡大を目指して掲げられた経済政策です。第一の矢「大胆な金融政策」と第二の矢「機動的な財政政策」は既に一定の効果をあげているとされ、第三の矢である「民間投資を喚起する成長戦略」も重要な役割を担っています。
この成長戦略では、「Society 5.0(ソサエティ5.0)」という政策が大きな役割を果たすことを期待されています。2020年3月17日に公表された、Society 5.0に関する報告書の内容を交えながら、日本における成長戦略の課題と具体的な取り組みを紹介します。
目次【本記事の内容】
政府が2016年に発表した「第5期科学技術基本計画」は、以下に挙げる目標を目指して5年間にわたり行われる政策です。
・持続的な成長と地域社会の発展
・国や国民の安全を確保することや豊かな生活の実現
・地球規模の課題を解決し、世界の発展に寄与
・「知」の資産の持続的な創出
第5期科学技術基本計画の中には、「世界に先駆けた『超スマート社会』の実現(Society 5.0)」という目次があります。
この内容によると、Society 5.0とは、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(2.0)、工業社会(3.0)、情報社会(4.0)に続く新しい社会を意味するものであり、日本が目指すべき社会像として提唱されています。
具体的には、AIやIoTといった最新テクノロジーを活用し、仮想空間と現実空間を高度に融合させることにより、社会問題を解決し経済を発展させていく、人間を中心とした社会のことです。
各省庁や産業界、研究機関などがそれぞれに連携し、Society 5.0の計画を進めていく目標が掲げられています。
2020年3月17日に経団連が発表した報告書「Society 5.0時代を切り拓く人材の育成―企業と働き手の成長に向けて」の中では、Society 5.0を進めていくにあたり、現時点での課題として以下の3つを指摘しています。いずれも、Society 5.0を実現するためには人材の育成が不可欠であるという考えに基づいた課題です。
企業の意識や組織文化を変えるためには、人材とキャリアの両方が多様化している現状を重視することや、組織文化をオープンなものにする方針を示すことが重要です。企業のトップマネジメント層が自社の理念やビジョンを従業員に浸透させ、意識改革と組織文化の改革を行うことが求められています。
従業員が自発的にキャリア形成を目指せるよう、次の施策が求められます。
・経営陣から従業員に向けて、キャリア形成を重視する内容のメッセージを発信する
・社内公募制など、従業員の意向を極力反映させた人事異動政策を実施する
・職場内訓練や企業内教育が促進されるよう、個別のコミュニケーションを充実させる
従業員に対して高いスキルの取得が求められる中で、職場内訓練や企業内教育だけでは世の中の急速な変化に対応できません。デジタル関連のスキルやリテラシーをより向上させるべく、従業員に対する能力開発の支援策を積極的・計画的に打ち出すことが求められています。
Society 5.0のコンセプトに基づき、既にIoTやAIが活用され始めている領域を紹介します。
担い手の高齢化や新規就農希望者の不足などにより、農業従事者が減少の一途をたどっている農業の現場では、IoTやAIを活用したさまざまな技術が現場を支える新たな力として期待されています。
農水省が推進する、ICTやロボット技術を活用した「スマート農業」により、圃場情報管理・ビニールハウス情報管理・農作業記録・GAP取得支援などのツールが開発・導入されています。また、生産者と消費者をつなぐシステムのデジタル化が進んでいることも特徴です。
昨今の深刻な人手不足に対応すべく、サービス業ではセルフ決済レジなどを活用した無人店舗の導入が始まっています。
店舗内に設置されたカメラや入り口で得た情報を、遠隔で店舗管理支援サービスと連携させ、取得した情報をAIが解析し、来店状況の分析や防犯検知などに活用することで運営を実現させるシステムです。
コンビニや古本屋など、サービス業のさまざまな分野で次々と導入されており、次世代のビジネスモデルとして大きな期待を集めています。
Society 5.0は、日本社会の未来を見据えた戦略です。最新テクノロジーを活用することはもはや避けられない状況にあり、世界の潮流に乗り遅れないように動くことが求められています。
企業による積極的な人材の開発が進み、企業間の連携や取引も活発になっていくよう、Society 5.0に基づいたさらなる取り組みの促進が必要とされています。
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