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世界各地で、これまでに経験したことのないような気温の上昇や集中豪雨、記録的な大雪などの異常気象が頻繁に発生しています。従業員の通勤や、流通などにも影響があるため管理部門としても無視できません。
なぜ、異常気象が発生するのか、そして、その対策はあるのでしょうか。
激しい大雨や暴風、極端な気温や降水量の状態を伝える天気予報で、「30年に1度」や「50年に1度」といった表現が、頻繁に聞かれるようになっています。
気象庁では、「ある場所(地域)・ある時期(週、月、季節)において30年に1回以下で発生する気象現象」を、異常気象としていますが、いまや異常気象は決して珍しい現象ではありません。
日本各地で、これまで経験したことのないような集中豪雨が発生し、最高気温の国内最高記録も、どんどん更新されています。このような極端な気象現象は、日本だけで発生しているわけではありません。世界各地で発生し、大きな被害をもたらしています。
では、なぜ、このような極端な気象現象が頻発するようになったのでしょうか。その理由の一つに、地球温暖化の影響が指摘されていますが、それが原因とは断定できないようです。また、海水温が上昇するエル・ニーニョや低下するラニーニャ現象、火山の噴火による影響などさまざまな指摘があります。
たとえば、気温の上昇については、上空の偏西風が通常と異なる位置を流れる状態が続いたことや、熱帯地域の対流活動の影響が遠い場所に伝わり、地球の大気と海洋の自律的な変動による“自然のゆらぎ”が一方的に大きく振れたときに、著しい高温となるようです。
この自然のゆらぎは、地球の気候システムに元々備わった性質ですから、地球温暖化によって異常に暑い夏となったと断定することはできないそうです。
しかし、過去数十年の気象観測データの分析からは、世界各地で極端な高温の発生頻度が増えていることは明らかになっています。このような長期的な増加傾向には、地球温暖化の影響の表れでもあり、今後も暖冬傾向や酷暑の日が増えていく傾向がさらに強まると予想されています。
頻発する異常気象と地球温暖化の因果関係は明確になっていませんが、大気中の温室効果ガス濃度の増加に伴って、世界中の地域で長期的に気温が上昇していることは、気象データからも明らかです。
地球規模で発生している熱波や豪雨などの自然災害や異常気象が深刻化する中、2015年の国連気候変動枠組条約締約国会議で、産業革命時代からの温度上昇を2度未満に抑えるというパリ協定が決議されています。
地球温暖化と異常気象の因果関係については、世界中で研究が続けられていますが、温室効果ガスの排出が地球温暖化を進め、それが気候変動にも何らかの影響を及ぼしているのであれば、やはり、国家レベル、産業界全体でも、SDGs(持続可能な開発目標)の観点からもそれなりの対策を取る必要があるのではないでしょうか。
日本では、「地球温暖化対策計画」により、国内の温室効果ガス排出削減・吸収量の確保により、2030年度に2013年度比の26.0%減(2005年度比25.4%減)の水準にする目標を掲げています。
温室効果ガス削減の効果は、すぐに目に見えるものではありませんが、個人や団体、事業所での取り組みが積み重なって、初めて成果が生まれるものです。
身近でできる地球温暖化対策としては、できるだけ車での移動を減らし、徒歩や自転車での移動、オフィスや自宅では、使っていない部屋の照明を消す、商品の過剰生産や過剰廃棄を減らす、適温での冷暖房などによって、CO2の排出削減につながります。
また、こうした地道な努力の積み重ねに加え、台風や集中豪雨などへの対策は、事業の継続にもかかわることですから、事業所などでは平常時から災害時に備えた対策が必要です。飲料水や非常食、懐中電灯や自家発電装置、さらには災害時の社員への対応なども、マニュアル化しておく必要があるでしょう。
交通網が遮断されてしまうこともありますから、その際の出勤はどうするのか、休みとするのか、あるいは早退させるのかなどのルールを定め、それを会社全体で共有しておくといいでしょう。
今世紀末には、地球の平均気温が最大で4.8℃上昇するという予測もあり、地球温暖化対策は、地球規模で取り組む課題です。また、事業活動の継続を困難にさせるほど猛威を振るう自然災害の発生数も、年々、増加傾向にあります。管理部門は “備えあれば憂いなし”で、自然災害リスクへの対応策を考えておく必要がありそうです。
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