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日本は世界に冠たる長寿大国だが、企業経営者の高齢化もどんどん進んでいる。そこで、課題として持ち上がっているのが事業承継問題だ。
帝国データバンクが2019年1月から9月の「後継者難倒産」の動向を調査したところ、前年同期比12.8%となり、年間最多を更新する勢いで増えているという。
後継者難による倒産件数は、2019年1月から9月までの9か月間の累計は325件となり、調査開始の2013年1月以降、1~9月の累計としては過去最多となっている。年ベースでの最多は2013年の411件だが、それを上回る勢いだというから、やはり深刻である。
負債総額は333億8,300万円で、こちらは前年同期比1.2%と、わずかながら減少している。負債規模別では1億円未満が228件(前年同期比15.7%増)で、全体の7割を占めるほど突出しているのが、令和元年の特色ともいえる。
また、業歴別で見ていくと、業歴30年以上の企業が最多の166件(51.1%)で過半数を占める一方で、若い経営者が多いとされる業歴10年未満の企業でも34件(前年同期比21.4%増)が、後継者難での倒産に追い込まれているだけに、後継者難問題は業歴にかかわらず深刻化しているのが現実といえそうだ。
企業経営者の高齢化、後継者難による倒産が増加傾向にあるなか、中小企業庁では昨年10月に、中小企業の経営者、後継者、支援機関などを一堂に会した「全国事業承継推進会議」を開催するなど、政府をあげて事業承継支援へ積極的に取り組んでいる。また、今年に入ってからも各地で地方ブロック会議などを開催している。
こうした、事業承継を支援する策などがあるものの、後継者がなかなかみつからない企業では、経営者の突然の体調不良や死亡などを機に、事業を遂行することができなくなり倒産に追い込まれるケースもあるようだ。
後継者難倒産はますます増える傾向にあるだけに、後継者が決まっていない企業の経営者や幹部社員の責任はより重要度を増していくことになるだろう。また、後継者難に悩む取引先企業や同業他社の動向にも、注意深く目を光らせておく必要がありそうだ。
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