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給与所得に対する所得税や復興特別所得税の源泉徴収事務は極めて重要な業務であり、税務調査の際にも必ず確認されることになります。取り扱いには複雑な面もあり、源泉徴収を誤ると不能付加算税や延滞税など大きなリスクを伴うことにもなりかねません。最近ではSAAS系のシステムを導入して、自動計算されている企業も増えてますが、中小零細企業では担当者が対応している企業も多い状況です。
今回は、源泉徴収制度の基本を確認した上で、源泉徴収税額の算出に必要な源泉徴収税額表の見方や注意すべき点を紹介します。
目次【本記事の内容】
源泉徴収制度とは、給与や賞与を従業員に支払う会社が、定められた方法で所得税を算出し、給与や賞与から天引きして国に代行納付する制度です。従業員を雇っている会社には源泉徴収の義務があり、怠ると罰則を受けることになります。
源泉徴収税額は、給与の金額や扶養の人数などにより計算が異なります。会社側は、従業員から提出される「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載された内容をもとに扶養人数を確認します。さらに、非課税所得を除く毎月の給与総支給額から、健康保険料・介護保険料・厚生年金・雇用保険料などの社会保険料を控除した金額をもとに、源泉徴収税額表を使用して扶養の人数に応じた所得税額を算出します。
なお、源泉徴収は月ごとに行われますが、所得税は年単位で課税されるため、1~12月までの期間に給与額や賞与額、扶養家族の人数に変動があった場合は、毎月の源泉徴収税額との間にズレが生じる場合があります。そこで、年末調整により所得税の訂正をし、納め過ぎている場合は還付が受けられ、不足している場合は追加納付が必要となります。
源泉徴収税額表とは、源泉徴収税額を計算する際に参照する表です。源泉徴収税額表には「月額表」「日額表」「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の3種類があり、給与の支払い方法に応じて参照する源泉徴収税額表の種類が異なります。
・月額表:月給制または半月ごと・10日ごとの給与支払い
・日額表:日給・週給制または日割り計算の給与支払い
・賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表:賞与の支払い
また、それぞれの種類はさらに「甲」「乙」「丙」いずれかの区分に分けられ、区分ごとに税額が異なります。
・月額表:「甲」と「乙」の区分に分けて税額が記載され、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出がある従業員には「甲」欄、ない場合は「乙」欄に記載されている税額を適用します。大半の従業員には「甲」を使用することになります。
・日額表:「丙」の区分のみ記載されており、日雇いや短期アルバイトなどにおける日給の源泉徴収税額を求める場合に適用します。
源泉徴収税額における計算方法の詳細は、各税額表の最終ページに記載されているので、実際に計算する際は参考にしましょう。
1)源泉徴収税額表は毎年更新される
所得税は1月1日から1年間の所得に応じて課税されるため、毎年1月分の給与計算を行う際には、その年に対応した新しい源泉徴収税額表に変更することを頭に入れておく必要があります。最新の源泉徴収税額表は、国税庁のホームページからダウンロードして確認できます。
2)賞与は賞与用、退職金は退職用の税額表を使用する
従業員に支払う賞与の源泉徴収税額を算出する場合は、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使用します。月額表と同様に「甲」と「乙」の区分に分かれており、特に甲欄は、扶養人数や賞与支給の前月における給与に応じて税率が異なります。
詳細は税額表に記載されていますが、賞与に関しては、月額表とは違う表を使用するということを把握しておく必要があるでしょう。
また、退職所得から源泉徴収する税額は「退職所得の源泉徴収税額の求め方」を使用して算出します。退職所得は、退職手当・退職一時・社会保険または共済等の各制度から受け取る一時金などが該当し、年金で受け取る場合は雑所得として、死亡退職金の場合は相続税として課税の対象となります。
3)副業の場合は原則として乙欄を参照する
源泉徴収税額表の甲と乙は、分かりやすく区別すると甲が本業、乙が副業といえます。甲で必要な「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、同時に1枚しか提出できないという決まりがあるため、会社員が複数の副業をしている場合は、自動的に本業が甲、その他の副業は乙に分かれます。
業務委託などの形態で外注費として支払われている場合は、原則として源泉徴収されません。しかし、副業先と雇用契約を交わし支払いが行われていれば給与所得に該当するため、原則として乙欄課税となり、甲欄に比べ高い金額が源泉徴収されることになります。
乙欄課税により多めに天引きされた所得税は、確定申告により取り戻る場合があります。また、乙欄に該当し、かつ副業で受け取る給与の年間額が20万円を超える場合は、そもそも確定申告の義務が発生します。
会社の経理担当でなければあまりなじみがない源泉徴収税額表ですが、源泉徴収の計算を行う上で欠かせない重要なものです。
近年は会計ソフトなどの普及に伴い作業の効率化が進んでいるものの、源泉徴収の業務を行う際には源泉徴収税額表の見方もしっかりと理解しておく必要があるでしょう。
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