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SDGsの目標12.つくる責任つかう責任
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SDGsの目標12.つくる責任つかう責任

公開日2019/09/01 更新日2019/09/10
SDGsの目標12.つくる責任つかう責任

SDGs(持続可能な開発目標)とは、2015年に国連サミットで採択された2030年までに世界各国が取り組むべき国際目標のことです。全部で17の目標が定められており、「つくる責任つかう責任」はその12番目に定められています。

今回はSDGsの「つくる責任つかう責任」について注目し、なぜこのような目標が定められたのか、詳しく解説しましょう。

SDGsにおける「つくる責任、つかう責任」とは

SDGsの「つくる責任つかう責任」において目指されているのは、一言でいうと「持続可能な生産と消費の形態を確保すること」です。人類社会が持続的に発展できる開発を進めていく上では、限りある地球の資源を無駄遣いしない商品、さらに環境破壊をもたらさない商品の生産と消費が欠かせません。

例えば、消費しきれないものを過剰に生産し、余ったものを全て廃棄するという行動は、効率的な資源の管理ができているとはいえないでしょう。また、リサイクルできない大量の廃棄物を発生させることも、地球の環境を壊し、持続可能な社会の建設を困難にします。

「つくる責任つかう責任」は、こうした問題のある行動を是正・解消することを目的に設定されました。

食料の生産と消費における「非効率」

「消費しきれないほど生産し、余剰分を廃棄する」という行動の典型例が食品ロスです。食品ロスとは食べることができるものを廃棄することを指し、「消費期限切れの食品が廃棄される」、「新商品の販売や規格の変更に合わせて、店頭の食品類が廃棄される」、「飲食店における残飯」などが例として挙げられます。

また消費者の側においても、家で調理をするときに「食べられる場所をカットして捨ててしまう」、「食べ残しをする」「冷蔵庫で期限切れになるまで保管して、食べずに捨ててしまう」といった行為は食品ロスを招いています。

SDGsの「つくる責任つかう責任」では、2030年までに「小売店、消費者の1人当たりの食品排気量を、全世界において半減させる」という内容も盛り込まれています。人口が急増している発展途上国では食料が不足し、飢餓が発生している国・地域も少なくありません。そんな中、先進国等で日々大量の食糧が廃棄されているというのは、人類全体としてみると健全な状態とはいえないでしょう。

リサイクル率アップの必要性

プラスチックや金属等の場合、「再利用」を視野にいれた商品開発を目指すことで、廃棄物を減らし、天然資源の有効利用につなげることができます。しかし現状では、先進国、発展途上国ともにその点を配慮した社会構造が構築されているとはいえません。

例えば日本の場合、プラスチック製品、金属製品のリサイクルはほとんど自国で行っておらず、これまでは中国等に「廃棄物の輸出」を行っていました。しかし昨年1月、中国がプラスチック廃棄物の「輸入」を原則禁止することを決めたことから、ようやく日本でもプラスチック製のごみを減らす取り組みに注目が集まるようになっています。

プラスチック廃棄物の代表例はストローですが、最近になって「食べられるストロー」や「紙でできたストロー」等がマスコミでも報道されるようになっています。

日本からプラスチック製の廃棄物を輸入していた中国では、リサイクル工場の労働者における健康被害、子どもへの強制労働など、多様な問題が発生していました。中国政府が廃棄物の輸入禁止に踏み切ったのは、人道上、当然の措置といえるでしょう。

SDGsにおける「つくる責任つかう責任」の目標には、2020年までに製品ライフサイクルを通じた化学物質や廃棄物の放出を大幅に削減すること、さらに2030年までに廃棄物そのものの発生を防ぎ、削減すること、再生利用・再利用によって廃棄物の発生を削減すること等が盛り込まれています。

企業や自治体の取り組み事例

近年では、持続可能な生産と消費の確保に向けた取り組みを進めている企業も登場しています。その1つが「セブン&アイ・ホールディングス」が取り組んでいる食品の生産、販売方法です。同社の傘下企業であるイトーヨーカドーでは、早い段階から売り場における量売りやバラ売りを導入して、消費者が過剰な購入をしないで済む仕組みを導入しています。2008年からは独自に保有する農場である「セブンファーム」において、食品廃棄物を飼料化、肥料化する取り組みも進めています。

セブン&アイ・ホールディングスは、コンビニエンスストアのセブンイレブン、スーパーのイトーヨーカドー、レストランのデニーズ等を傘下に持つなど、事業規模は巨大です。このような企業が率先してSDGsに沿う行動を取ることは、業界全体の生産・消費形態の改善に寄与するでしょう。

また、自治体が食品ロスの解消に取り組んでいるケースとしては、富山県が行っている「とやま食ロスゼロ作戦」が挙げられます。県の農林水産部が主導する形で、家庭や外食時における食べ残しを無くす啓発活動(おいしいとやま食べきり運動)、小学校における食べ残しを無くす教育運動などが実施されています。

まとめ

SDGsの「つくる責任つかう責任」は、国連サミットで提唱され、日本でも企業、行政において取り組みが進められています。持続可能な生産と消費のパターンを構築するために「プラスチックごみを無くすこと」、「食品の廃棄や無駄な食べ残しを無くすこと」等は、今や世界共通の目標となっています。

「つかう責任」を担う消費者の側も意識を高く持ち、家庭での食べ残しを防ぐ、あるいはプラスチック製品の購入は廃棄のことまで考えた上で行うなど、一人ひとりができることに取り組んでいきましょう。

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