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ビジネスパーソンに求められる能力とは、どのようなことでしょうか。営業力、資金調達力、企画力…などなど、いくつも思い浮かびますが、最も必要なのは「人を動かす力」ではないでしょうか。
今回は、人を動かす方法とテクニックについて考察してみます。
ビジネスの成功は、決して1人の力だけで成し遂げられるものではありません。チームで動くことの方が多いはずです。また、取引先や金融機関、関連企業など、多くの人の力が、そこには必要です。
たとえば、大リーグで活躍中の大谷翔平選手ですが、打者として打席に立てばホームランを打ち、投手としてマウンドに立てば165㎞の快速球、そしてひとたび塁に出れば、俊足で次の塁を狙うなど、まさに、スーパーマンのような活躍ぶりです。しかし、どれほど打っても、必ず勝つとは限りません。それは、野球はチームで戦うスポーツだからです。
ビジネスも同じです。いかにして多くの人を巻き込み、成功に結びつけていくかがカギとなります。そのためには、かかわる人のやる気を引き出すことですが、それこそが「人を動かす力」です。
「人を動かす力」といえば、多くのビジネスパーソンがバイブルとしている、デール・カーネギーのビジネス書『人を動かす』が、まず頭に浮かびます。
世界中のビジネスパーソンに愛読され、1,500万部の大ベストセラーで、マネージャーやチームリーダーなど、人を動かすポジションに就いたなら、必ず目を通しておきたい1冊といっても過言ではありません。
『人を動かす』では、「人を動かす三原則」「人に好かれる六原則」「人を説得する十二原則」「人を変える九原則」を、具体的なエピソードとともに描き、人を動かすことの本質を解き明かしています。
たとえば、「人を動かす三原則」の項目には、「盗人にも五分の理を認める」「重要感を持たせる」「人の立場に身を置く」とあり、批判も非難もせず苦情も言わない、率直で誠実な評価をする、強い欲求を起こさせることが重要と説いています。
また、「笑顔を忘れない」「名前を覚える」「心からほめる」(人に好かれる六原則)、「議論を避ける」「誤りを指摘しない」「誤りを認める」(人を説得する十二原則)と、目次の項目を拾っていくだけでも、なるほどと思わせる説得力が感じられます。ぜひ、一読を。
世の中には、一筋縄ではいかない人がいるものです。そんな人が仕事にかかわっていると、一向に前に進まず、次から次へと問題を持ち込んでくるものです。そんなときに参考になるのが、『伝え方が9割』(佐々木圭一著)です。
一筋縄ではいかない困った人であっても、相手の気持ちに寄り添った伝え方次第で、前向きな行動につなげていくことができるという内容が書かれたベストセラー。
たとえば、「相手の好きなことを提示する」「相手が嫌がることを回避する提案をする」や、「選択の自由を与える」「あなた限定を強調」「感謝を示す」などで、感謝の気持ちを示されて嫌な人はいません。
「ありがとうございます」の一言があれば、一筋縄でいかない相手であっても、徐々に心を開くようになるのではないでしょうか。
“人を動かす”方法やテクニックについては、ビジネス書から心理学、自己啓発本など各種出版されています。それだけ、“人を動かす”ということが、いかに大変なことであるかということではないでしょうか。
共通しているのは、人を動かすためには、人の“心”に訴える必要があるということのようです。好意的な人からの言動なら、きっと心を動かされ、行動に移してくれるのではないでしょうか。
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