公開日 /-create_datetime-/
住民税は、住んでいる自治体から必ず徴収される税なので、納付していることを意識している人は多いと思います。しかし税率がどのように決まるのか、いつ徴収されるのか、そして最近話題の「ふるさと納税」とはどのような仕組みで行われているのか、分かっているようで分かっていないことは結構多いものです。
今回は、住民税額の決まり方や徴収方法について説明します。
目次【本記事の内容】
住民税とは地方税に分類される税金で、都道府県民税と市町村民税(東京23区に住んでいる場合は区民税)の2種類があります。例えば、千葉県船橋市に住んでいる場合は、千葉県に対する県民税と船橋市に対する市民税が発生するわけです。なお、ここでいう「住民」というのは、その年の1月1日時点において住んでいる自治体が該当します。そのため、4月からの新生活に備えて3月に引っ越しをした場合、住民税の納付先は元の自治体(1月1日に住んでいた自治体)になるのです。
住民税の額は、納税する世帯における「住民税の所得割額」と、同じ自治体の住民が同額を納める「住民税の均等割額」の値によって変わってきます。住民税の均等割額については、自治体ごとに変わってきますが、おおむね都道府県民税と市町村民税の合計で数千円ほどになるのが通例です。
一方、住民税の所得割額は世帯の収入状況によって大きく異なります。住民税の所得割額を算出するには、まずその世帯における「給与所得」を計算しなければなりません。給与所得とは、1月1日から12月31日までの給与等の収入金額から、「給与所得控除」を差し引いた額のことを指します。給与所得控除の額は収入額ごとに区分されており、国税庁のホームページによると具体的な計算方法以下の通りです(2017年~2018年分)。
給与等の収入金額が180万円以下・・・収入金額×40%。65万円未満の場合は65万円
給与等の収入金額が180万円~360万円以下・・・収入金額×30%+18万円
給与等の収入金額が360万円~660万円以下・・・収入金額×20%+54万円
給与等の収入金額が660万円~1,000万円以下・・・収入金額×10%+120万円
給与等の収入金額が1,000万円以上・・・220万円が上限
給与所得を計算したら、次はそこから各種の「所得控除」を差し引いた「課税所得」を計算します。所得控除の項目は多く、代表的なものは33万円の「基礎控除」(全ての納税義務者を対象)をはじめ、「配偶者控除」(配偶者がいて無職の場合)、「扶養控除」(子どもや老人等の扶養親族がいる場合)、「社会保険料控除」、「生命保険料控除」等です。
給与所得から各種所得控除を差し引いて計算された課税所得に「税率」を掛けると住民税の所得割額が算出されます。税率は都道府県民税が4%、市町村民税が6%です。
最終的な住民税の計算は、住民税の所得割額と住民税の均等割額の合計値から「調整控除」を差し引いて求められます。調整控除は、2007年(平成19年)に税源が国から地方に移譲したことによって生じた、住民税と所得税の人的控除(配偶者控除や扶養控除等)の差額によって生じる負担を調整するための控除です。
課税所得が200万円以下か超えるかによって計算方法が異なり、200万円以下の場合は「所得税と住民税の人的控除額の差の合計額」と「課税所得額」のどちらか少ない額に5%を掛けた額となります。
200万円を越える場合は、「所得税と住民税の人的控除額の差の合計額」から「課税所得から200万円を差し引いた額」を差し引いた額に5%を掛けた額です。差し引いた額が2,500円未満となるときは、2500円とされます。
以上のことを踏まえると、実際の住民税の金額は以下の通りです。
①市町村民税=住民税の所得割額(課税所得×6%)+市町村ごとに定められた住民税の均等割額
②都道府県民税=住民税の所得割額(課税所得×4%)+都道府県ごとに定められた住民税の均等割額
よって
最終的な住民税=①+②-調整控除額
住民税を納付する方法には、大きく分けて「特別徴収」と「普通徴収」があります。特別徴収は会社が給料から住民税を天引きするという徴収方法で、この場合、住民税を納付するために納付者が個人で何かを行う必要はありません。おおむね、2~5月に納付額が会社側に通知され、1年分の住民税は5月~翌年6月にかけて毎月徴収されていきます。
一方、普通徴収は自営業者など特別徴収による納付を行っていない人を対象とする徴収方法です。毎年2月16日~3月15日にかけて前年所得分についての確定申告を行い、その後5月頃に市町村役場から納税通知書と納付書が送られてくるので、その内容に従って一括もしくは4分割により納付します。
住民税は所得税と同じく、納税者の収入に応じて納付額が異なる税金です。計算方法は多少複雑ではありますが、「給与所得」、「課税所得」、「調整控除額」と順番に計算していけば、基本的な金額は把握できます。
税金は内訳や計算方法を知っておくと節税の方法も見えてくるので、住民税の仕組みをしっかりと理解しておくとよいでしょう。
※本記事の内容について参考にする際は、念のため関連省庁HP等をご確認ください
関連記事:「住民税」のルーツは明治維新の地租改正
eNPSの大幅向上を実現。メンタルヘルス対策の道のり-Smart相談室導入事例-
test
窓口での待ち時間、面倒な差出票作成、なくせない切手対応 郵便のお悩みをたった一つの方法で解決!【郵便料金計器のメリットと導入事例】
社宅管理業務が大幅軽減される「社宅代行サービス」の選び方
ペーパーレス契約書管理の始め方
【人気簿記記事7選】簿記はスキル・キャリアアップに活かせる最強資格!
WTC_DEV-7582 Manegyパーツの修正
提供元表示テスト
もっと見るリンク先:テスト
「リバースメンタリング」とは。“立場逆転”で組織の硬直化を防ぎマネジメント力を高める方法。
【セミナーレポート】「健康経営優良法人」認定取得の実際とは
業務棚卸チェックシート付!RPA導入・運用の成功の秘訣 4つの落とし穴と その解決策
【2022年6月1日等施行】特定商取引法改正 徹底解説ハンドブック
title
15の業務事例で見る「RPA」導入の効果!
1月9日公開記事
日本の労働生産性が2年ぶりに上昇 日本生産性本部
大手損保会社の「産後パパ育休」対応保険の中身とは?
経理は転職サイトを利用すべき?経理人材の転職市場での価値を解説!
来年値上げ予定、食品2,000品目超に
公開日 /-create_datetime-/