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厚生労働省と文部科学省は、平成31年3月大学等卒業者の就職状況を共同で調査し、平成31年4月1日現在の状況を公表しました。
人手不足を背景に就職状況は高い水準を維持し、なかでも大学生の就職率は統計を始めた1997年春卒以降2番目の高さとなっています。
【就職状況の概要(平成31年4月1日現在)】
大学の就職率 | 97.6% | 前年同期比0.4ポイント低下 |
短期大学の就職率 | 98.6% | 前年同期比0.5ポイント低下 |
高等専門学校の就職率 | 99.6% | 前年同期比0.4ポイント低下 |
専修学校(専門課程)の就職率 | 96.6% | 前年同月比1.9ポイント低下 |
また、大学・短期大学・高等専門学校を含めた大学等全体では97.8%(前年同月比0.4ポイント低下)、大学等に専修学校(専門課程)を含めると97.7%(前年同月比0.2ポイント低下)と、いずれも高い水準となっています。
就職状況を、国公立・私立、男女別、文系・理系に分けて見ていくと、以下のようになります。
国公立大学の就職率 | 97.3% | 前年同月比0.7ポイント低下 |
私立大学の就職率 | 97.7% | 前年同月比0.3ポイント低下 |
男子大学生の就職率 | 97.3% | 前年同月比0.2ポイント低下 |
女子大学生の就職率 | 97.8% | 前年同月比0.8ポイント低下 |
国公立大学
男子の就職率 | 96.7% |
女子の就職率 | 97.8% |
私立大学
男子の就職率 | 97.5% |
女子の就職率 | 97.8% |
文理別
文系の就職率 | 97.4% |
理系の就職率 | 98.4% |
氷河期や超氷河期といわれた就職難時代は、十数年前のことですが、その頃に比べると、企業の採用意欲は、まさに“雲泥の差”といえるでしょう。
卒業者全体に占める就職者の割合も、大学では74.2%と、前年の73.8%を上回っています。まさに売り手市場ですが、それでも、就職先を決めずに卒業した学生もいるようです。
その理由は、厚労省によると「残念ながら第一志望の企業に入れなかったことから、次年度に再チャレンジするため」のようです。もっとも、来年以降も売り手市場が続くとは限りませんが、新卒の就職希望者は、それだけの冒険ができる環境だと判断しているようです。
高水準の就職率を維持している背景には、人手不足があるのはもちろんですが、厚生労働省と文部科学省が行ってきた、新卒者等の就職支援を専門に行う「新卒応援ハローワーク」のジョブサポーターと、大学等の就職相談員とが連携して大学等卒業者の就職支援に取り組んできたことも見逃せません。
就職せずに卒業した就職希望者には、厚生労働省と文部科学省は、引き続き「新卒応援ハローワーク」と大学等が連携し、継続した支援を続けていくということです。
就職希望者が、希望する職に就けるということは、何よりも歓迎すべきことではないでしょうか。ただこれが、景気が上向いてのことなら申し分ないのですが、少子高齢化による労働力不足という根本的な問題が、根底にあることを忘れてはいけません。
超氷河期に就職することができなかったため、ひきこもりとなっている30代、40代が多いという現実にも、しっかりと目を向ける必要もあるのではないでしょうか。働き方改革が叫ばれ、多様な働き方が選択される時代になろうとしています。新卒者の採用方法も、転機を迎えています。企業の採用担当者にとっては、きわめて難しい時代になったといえそうです。
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